ドルの続伸期待強い、110.80円目指す動きか
〇本日のドル円、ドルが続伸、9月高値110.45を超え一時110.55レベルまで値を上げる
〇過去1ヵ月以上に及ぶレンジ上限突破、8月高値110.80あるいは111円を目指す動きとなるか
〇本日8月新築住宅販売件数発表、FRBオンラインイベントにも注目
〇欧米時間のドル円予想レンジ110.00-111.00
〇ドル高方向は110.55レベルをめぐる攻防に注目、上抜ければ110.80、円高方向は110.00-10がサポート
<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場はドルが続伸。110.45円を超え、9月の月間高値を更新する展開となっている。
ドル/円は、110.30円前後で寄り付いたのち、しばらくは上値も重く上げ渋りの様相。しかし、その後はジリジリと上値を伸ばすと110.45円の9月高値も超え、110.55円レベルまで一時値を上げている。終値ベースで600円超の上昇となった日経平均株価の強さなどが材料視されていたようだ。16時現在、ドル/円は日中最高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、東京時間はドル/円以外も円は冴えず、さながら全面安の様相。ユーロ/円やポンド/円、豪ドル/円なども週間を通した最高値圏で推移している。
一方、材料的に注視されていたものは、「中国恒大危機」と「中国情勢」について。
前者、中国不動産開発大手の中国恒大集団に関する話題が引き続き思惑を呼ぶ。たとえば、米紙WSJが「中国当局、地方政府に中国恒大の経営破綻に備えた対策を指示」と報じたほか、ブルームバーグは「当局が恒大にドル建て債券で目先のデフォルト回避を要求」、「恒大のドル建て債保有者、23日期限の利払いを受け取っていない」−−などと報じていた。また、ブルームバーグはその後も「中国恒大集団は23日に期限を迎えた計8350万ドルのドル建て社債利払いに関して沈黙を続けている」としたうえで、投資家不安の高まりを懸念した内容をレポートしていたようだ。
対して後者は、前日判明した「台湾のTPP加入申請」に中国が早速かみついた。中国外務省から「公的な性格を持ついかなる協定や組織にも、台湾が加わることは断固として反対する」としたコメントが発せられたうえ、「台湾防空識別圏に中国軍機24機が進入」するなど実力行使とも言える威嚇行動も別に観測されていた。そうしたなか、日印首脳が会談を行い「東・南シナ海の現状変更に反対する考えを共有」したほか、米商務長官が中国ファーウェイについて、「必要ならバイデン政権は一段の措置を講じる」と述べている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は22日に109.12円まで値を下げ、レンジ下限に面合わせするも割り込めず下値トライが失敗に終わるなか、その後は一貫した右肩上がり。そしてついに、本日東京で110.45円を超え、過去1ヵ月以上に及ぶレンジ上限を突破している。度々レポートしてきたように、昨年来の相場は「ダマシ」の多いことが気掛かりではあるが、素直に考えてリスクは上向き。ドルは続伸から8月高値110.80円をうかがう展開となる可能性もある。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況は変わらないが、22日のFOMCで利上げ開始時期の前倒し示唆などもあり、本日の東京時間には日米金利差が拡大しドル高・円安を後押ししていた。米景気回復の状況などをにらみつつ、ドル高基調がいましばらく続く公算が大きいだろう。ただし、一部からは掌返しとも言える楽観論が聞かれる「中国恒大危機」の行方が気掛かりだ。依然として予断を許さないだろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円は長らく109.11-110.45円というレンジで、逆張りが奏功する展開だったが、それがようやく崩れてきた。本日東京時間に一時110.55円レベルまで上昇している。基本的なリスクは上方向であり110.80円あるいは111円を目指す動きが見込まれるものの、本日が週末金曜日に当たることには注意を払いたい。3日間で1.5円近い上昇をたどっていることもあり、目先はポジション調整が先行する可能性もある。
材料的に見た場合、中長期的には、29日の利払いもあり「恒大リスク」にも引き続き注意を要する「中国情勢」のほか、同じ29日に自民党総裁選が予定され菅首相の後任が事実上決定する「日本の政局」、「新型コロナ関連」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月の新築住宅販売件数が発表されるほか、開催されるFRBのオンラインイベントを警戒する向きも多い。ちなみに後者には、パウエル氏などFRBの正副議長3名も参加、開会あいさつなどを行う予定だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.00-111.00円。本日東京高値である110.55円レベルをめぐる攻防にまずは注目。上抜ければ110.80円、そして7月5日以来となる111円台も。
対するドル安・円高方向は、これまで抵抗として寄与していた110.00-10円が今度はサポートか。ただ下回っても底堅そうで109.70円レベルまでの下げが精々か。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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