ドル円、中国恒大集団を巡るデフォルト懸念後退とタカ派な米FOMCで急反発(9/23朝)

22日(水)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、中国恒大集団を巡るデフォルト懸念後退とタカ派な米FOMCで急反発(9/23朝)

ドル円、中国恒大集団を巡るデフォルト懸念後退とタカ派な米FOMCで急反発

〇ドル円109.13まで下落後、リスク回避ムード後退と、FOMCでのFRBのタカ派姿勢に109.90まで反発
〇ユーロドルFOMC直後に1.1756まで上昇後1.17割れ、安値1.1685をつける
〇中国の恒大集団のデフォルト懸念後退と米早期利上げ観測の高まりにドル円上昇
〇恒大集団のデフォルト懸念はあくまでもローカルイシューとの見方広がりドル円下落余地は限られるか
〇今晩の米指標の結果次第では情報レジスタンスを突破し一気にドル高円安の流れとなることも
〇本日の予想レンジ:109.40ー110.20

海外時間のレビュー

22日(水)のドル円相場は下落後に急反発。@中国恒大集団を巡るデフォルト懸念を背景に、アジア時間朝方にかけて、安値109.13(9/15以来、1週間ぶり安値圏)まで下げ幅を広げるも、9/15に記録した直近安値109.11をバックに下げ渋ると、A中国恒大集団の子会社である恒大地産による9/23の利払いを実施するとの一部報道や、B上記Aを背景としたリスク回避ムードの後退(中国恒大集団のデフォルト懸念後退→リスク回避ムード後退→株式市場持ち直し→リスク選好の円売り再開)、C米FOMC(連邦公開市場委員会)声明で資産購入ペースの減速が近いうちに正当化される可能性があると記述されたこと(If Progress continues broadly as expected, the Committee judges that a moderation in the pace of asset purchases may soon be warranted)、

Dドットチャートで米早期利上げ観測が高まったこと(2022年末時点の利上げ予想者は6月時点の7人から9人に増加、2023年末時点の利上げ予想者は6月時点の13人から17人に増加)、EパウエルFRB議長によるタカ派的な発言(テーパリングの終了は2022年半ば頃が適切となる可能性あり)、F上記CDEを背景とした日米金融政策の方向性の違いが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値109.90まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時15分現在)では、109.79近辺で推移しております。

22日(水)のユーロドル相場は上昇後に反落。米FOMC直後に高値1.1756まで上値を伸ばすも、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、@米FOMCで資産購入ペースの減速が近いうちに正当化される可能性が発表されたこと(米早期テーパリング観測の高まり)や、Aドットチャートで米早期利上げ観測が高まったこと、BパウエルFRB議長より「テーパリングの終了は2022年半ば頃が適切となる可能性がある」との見解が示されたこと、C上記@ABを背景とした欧米金融政策の方向性の違い、Dドイツを巡る政局不透明感、E心理的節目1.1700を割り込んだことに伴う短期筋のロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1685(8/20以来、約1ヵ月ぶり安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時15分現在)では、1.1691近辺で推移しております。

本日の見通し

ドル円はアジア時間朝方に記録した安値109.13をボトムに反発に転じると、米国時間午後にかけて高値109.90まで急伸しました。中国恒大集団を巡るデフォルト懸念が後退したこと(円売り)に加えて、FOMCを経て米早期利上げ観測が高まったこと(ドル買い)がドル高・円安の背景と考えられます。こうした中、本日は中国恒大集団を巡る続報や、FOMCの結果を受けたアジア勢の反応、米経済指標の結果(米9月製造業PMI速報値、米9月サービス業PMI速報値など)を睨みながらの展開が予想されます。但し、中国恒大集団のデフォルト懸念についてはあくまでローカルイシューの範囲内であり、グローバルに波及するリスクは小さいとの見方が増えつつあるため、余程大きなネガティブヘッドラインが見られない限り、ドル円の下落余地は乏しいと考えられます(※黒田日銀総裁も昨日の定例記者会見で中国恒大集団を巡る問題はあくまでこの企業、中国の不動産業の問題であると発言)。

また、昨晩のFOMC結果を受けたアジア勢の反応についても、欧米勢の流れを踏襲する公算が大きいことから、ドル高・円安の流れが強まる可能性が高いと予想されます(テーパリングの開始時期と終了時期、米利上げの方向性が示されたことで米金融政策を巡る不確実性が後退。米利上げ観測が高まったにも係わらず、米株や商品市況が崩れなかったことがポジティブサプライズ)。この為、今晩予定されている米経済指標が市場予想を上回る結果を示せば、上方に位置する主要レジスタンス(一目均衡表雲上下限や90日移動平均線など)を突破し、一気にドル高・円安の流れが勢いづくと予想いたします(国際金融市場を巡る不確実性がひとまず後退したことでリスクアセット上昇→ドル円上昇の流れに戻ると予想)。

本日の予想レンジ:109.40ー110.20

注:ポイント要約は編集部

ドル円、中国恒大集団を巡るデフォルト懸念後退とタカ派な米FOMCで急反発

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