米FOMC注視しつつ、中国恒大問題にも注意(9/22夕)

22日の東京市場はドル堅調裡。一時下値を試す展開で、15日安値109.11円に面合わせするも割り込めず、その後はドル買戻しが優勢に。

米FOMC注視しつつ、中国恒大問題にも注意(9/22夕)

米FOMC注視しつつ、中国恒大問題にも注意

〇本日のドル円、109.20前後で寄り付き、16時現在日中高値圏の109.55-60で推移
〇一時レンジ下限である109.11に面合わせし、下方向のリスク示すが判断に迷う足形
〇中国恒大集団、9/23の人民元建て社債利払いは支払う方向だが、予断は許さない状況
〇本日の米FOMC結果公表とパウエルFRB議長の記者会見に注目が集まる
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは108.90-110.00

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場はドル堅調裡。一時下値を試す展開で、15日安値109.11円に面合わせするも割り込めず、その後はドル買戻しが優勢に。

ドル/円は109.20円前後で寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。月間安値109.11円に面合わせをしたが下回れず、その後は逆にドルが大きく買い戻されている。日経平均やNYダウ先物など日米株価の動きに左右された感も否めない。ドルは夕方に掛けて緩やかな右肩上がりをたどると、16時現在でも日中高値圏の109.55-60円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、東京時間は結果として円全面安。ユーロ/円や豪ドル/円も前日安値を下回るなど、直近安値を一時更新したものの、急反発を経ており終わってみればいずれも高値圏。

一方、材料的に注視されていたものは、「米欧の対立」と「中国恒大問題」について。
前者は、EUに断りなく米英豪の3ヵ国が「新たな安全保障枠組」で合意したことが依然として大きな問題となっているようだ。ブルトン欧州委委員は「欧米間の緊張は数年前から続いている」などと不満は今回に始まったことではないと表明したうえで、今回の措置を受け「米EU関係をリセットする」などとなかなか過激なコメントも発していた。また、マクロン仏大統領が米NYで開催中の国連総会一般討論演説を取りやめたことがわかったが、その理由が「米との関係が悪化したことが背景にある」などとされ、こちらも話題に。
対して後者は、中国の不動産開発会社「中国恒大集団」の流動性危機が引き続き物議を醸していた。しかし、喫緊の課題である23日の人民元建て社債利払いは支払う方向とされ、目先は安心感が台頭していた。とは言え、夕方に黒田日銀総裁が「中国恒大問題は市場への影響を含めて状況を注視」と述べるなど、このあとも予断を許さない。実際、23日を乗り切っても29日に再び利払いが予定されており、一難去ってまた一難だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は判断に迷う足形。大きな流れは依然レンジ内だが、前述したように本日東京時間にその下限である109.11円に面合わせしており、下方向のリスクが高まってきたようにも思われる。ただ、その後もドルの戻りをみると、下値トライが失敗したようにもみえるところが悩ましい。いずれにしても、相場はかなりの長期間保ち合い推移をたどっていることから、「しっかり」レンジを放れれば、予想以上に値が飛ぶ可能性もある。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況に変化はなく、そうした意味では本日予定されているFOMCの結果発表にまずは注目だ。ちなみに、市場では今回のテーパリング開始は見送られるなか、11月開始が有力視されている。また、最新の経済見通しやFOMCメンバーによる政策金利見通しの分布(ドットチャート)の内容にも注意を払いたい。一方、それとは別に引き続き「中国恒大集団」に絡む報道にも要注意か。本稿執筆時、時間外で取引されているNYダウ先物は150ドル超と大きく上昇しているが、その流れが米株の実勢相場へも継続されることになるのだろうか。

テクニカルに見た場合、ドル/円は109.11-110.45円というレンジ取引にいまだ変化はないが、一時下限に面合わせするなど、保ち合い放れの兆しはうかがえる。予断を許さないが、次の動意に向けた準備は怠らないようにしておきたい。たとえ本日抜けられなくても、明日の東京が再び休場で、ジンクス的には「荒れやすい」ことは要注意だ。

材料的に見た場合、中長期的には、習国家主席による「石炭火力発電プロジェクト」発言が思惑を呼んでいる「中国情勢」のほか、高市氏や岸田氏善戦報道も目に付く自民党総裁選をはじめとした「日本の政局」、「新型コロナ関連」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月の中古住宅販売件数が発表されるものの、やはりもっとも注視されそうなのは米FOMCの結果公表と、その後はパウエルFRB議長の記者会見。また、タカ派的な見方がFRB内で広がっているのかどうかにも注目だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.90-110.00円。昨日高値の109.70円をめぐる攻防にまずは注目。上抜ければ110.08円や110.16円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京でも下げ止まった109.11円レベルが最初のサポート。下回ると109円割れ、108.73円を目指す展開か。

米FOMC注視しつつ、中国恒大問題にも注意

ドル円日足


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