ドル円、約1週間ぶり安値圏へ下落。恒大集団を巡る懸念拭えず。FOMCに注目(9/22朝)

21日(火)のドル円相場は上昇後に急反落。

ドル円、約1週間ぶり安値圏へ下落。恒大集団を巡る懸念拭えず。FOMCに注目(9/22朝)

ドル円、約1週間ぶり安値圏へ下落。恒大集団を巡る懸念拭えず。FOMCに注目

〇ドル円恒大集団のデフォルト懸念が和らぎ欧州時間にかけ109.71まで上昇
〇その後同グループの、2つの銀行への支払い遅延報道やFOMCを控えた警戒感に109.17まで反落
〇ユーロドル1.17台前半で方向感に欠ける動き
〇為替市場中国恒大集団を巡るヘッドラインに振らされる不安定な動き続く
〇本日日銀黒田総裁会見、明日未明のFOMC結果公表に要注目
〇本日上下ともにボラティリティ拡大に要注意
〇本日の予想レンジ:108.70ー110.20

海外時間のレビュー

21日(火)のドル円相場は上昇後に急反落。@祝日明け本邦勢のドル買い需要や、A中国恒大集団のデフォルト懸念を巡る警戒感の後退(中国政府による救済期待→株式市場反発→リスク選好の円売り再開)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値109.71まで上昇しました。しかし、一目均衡表雲下限に続伸を阻まれると、B中国恒大集団は少なくとも2つの銀行に対して支払いが遅れたとの一部報道や、C上記Bを背景としたリスク回避ムードの再燃(株式市場の反落)、D米FOMCを控えた警戒感が重石となり、米国時間午後にかけて、安値109.17(9/15以来、約1週間ぶり安値圏)まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では、109.22近辺で推移しております。尚、この日発表された米8月住宅着工件数(結果161.5万件、予想155.5万件)や米8月建設許可件数(結果172.8万円、予想160.0万件)は共に市場予想を上回りましたが、市場の反応は限定的となりました。

21日(火)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。@欧米株の上昇を背景に、米国時間朝方にかけて高値1.1750まで上値を伸ばすも、A中国恒大集団を巡る警戒感が再燃すると、Bリスク回避のドル買い圧力や、Cドイツを巡る政局不透明感などが重石となり、安値1.1715まで反落する場面も見られました。もっとも、米FOMCを翌日に控え様子見ムードも根強く、引けにかけては小反発。本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では、1.1725近辺で推移しております。尚、ECBはこの日、報告書の中で、ユーロ圏のインフレ率算出に住宅価格が含まれていれば、消費者物価の根強い押し上げ要因になっていたとの見解を示しましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

為替マーケットは中国恒大集団を巡るヘッドラインに振らされる不安定な動きが続いております。本日より中国勢が中秋節明けでマーケットに戻ってくる他、明日9/23には2022年3月償還債の利払い日も控えている為、中国発のヘッドラインはもう暫く市場の不安要素として残り続ける可能性が高いと考えられます。こうした中、本日は日本時間15時30分に予定されている黒田日銀総裁記者会見と、日本時間9/23午前3時に発表される米FOMC(連邦公開市場委員会)に注目が集まります。前者については、政策変更は無いと考えられるものの、自民党総裁選に立候補した高市早苗・候補が掲げる「プライマリーバランスの黒字化目標凍結」などに関して、記者会見で黒田総裁に質問が集中する恐れがある為、黒田総裁の発言内容次第では、次政権における金融政策に関する思惑主導でドル円・クロス円が不安定化する恐れがありそうです。後者については、次回11/2ー11/3のFOMCでテーパリング開始決定を行うための事前告知がなされるとの見方が根強いものの、この点については既に織り込み済みである為、市場参加者の関心は、FOMC参加者の政策金利予想分布を表すドットチャートに集まりそうです。

前回(6月時点)と比較して、2022年や2023年のFOMC参加者の政策金利予想の中央値が引き上げられている場合は、米早期利上げ観測台頭→米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円には初期反応として強い上昇圧力が加わると考えられます。一方、前回と比較して中央値に変化が見られない場合は、早期利上げ観測後退→米長期金利低下→米ドル売りの経路でドル円には初期反応として強い下落圧力が加わりそうです。もっとも、前者の場合は、米長期金利上昇→米ドル高→株式市場や商品市況の下落→リスク回避のクロス円下落→ドル円連れ安の経路で、一巡後にドル円を押し下げる可能性がある点に留意が必要でしょう。特に足元のように中国発のリスクオフムードが燻る環境下においては、株安→リスク回避の円買いの経路に細心の注意が必要となりそうです。中国恒大集団を巡る続報、中国勢の祝日明け、黒田総裁記者会見、FOMC声明、ドットチャート、パウエルFRB議長記者会見など重要イベントが目白押しとなる中、本日は上下共、ボラティリティの急拡大に注意が必要です。

本日の予想レンジ:108.70ー110.20

ドル円、約1週間ぶり安値圏へ下落。恒大集団を巡る懸念拭えず。FOMCに注目

ドル円日足

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