ドル円、中国恒大集団を巡るデフォルト懸念を背景に急反落。リスクオフ到来(9/21朝)

国際金融市場は中国恒大集団を巡るデフォルト懸念を背景に週明け早々からリスクオフ相場に見舞われました。

ドル円、中国恒大集団を巡るデフォルト懸念を背景に急反落。リスクオフ到来(9/21朝)

ドル円、中国恒大集団を巡るデフォルト懸念を背景に急反落。リスクオフ到来

〇昨日、本邦祝日で参加者が少ない中、中国不動産大手のデフォルト懸念で世界的リスクオフ到来
〇リスク回避の動き強まり、米債買いから米長期金利急低下、ドル円も109.32まで急落
〇ユーロドル、リスク回避のドル買いと欧州株軟調推移に、欧州時間朝方に一時1.1700まで下落
〇デフォルト懸念の中国恒大集団、9/23、9/29に利払い控え債務不履行懸念広がる
〇習主席が「重大金融リスクの防止」を強調する中、足元の混乱は一時的なものに留まると予想
〇FOMC等、重要イベントを週後半以降に控え、様子見ムード強まりやすいか
〇ドル円、ショートカバーリスクが大きいことから、安値圏での狼狽売りは避けたいところ
〇本日の予想レンジ:108.90ー109.90

海外時間のレビュー

週明け20日(月)のドル円相場は、本邦祝日(敬老の日)で市場参加者に乏しい中、@中国の不動産大手チャイナ・エバーグランデ・グループ(中国恒大集団)を巡るデフォルト懸念や、A上記@を背景とした世界的なリスクオフ到来(アジア株・欧米株が総崩れ→リスク回避のドル買い圧力→クロス円急落→ドル円連れ安)、B米長期金利の急低下(安全資産の米債買い→米10年債利回りは1.37%から1.29%へ急低下)が重石となり、米国時間午後にかけて、9/16以来となる安値109.32まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前4時25分現在)では、109.37近辺で推移しております。

週明け20日(月)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@中国の不動産大手チャイナ・エバーグランデ・グループ(中国恒大集団)を巡るデフォルト懸念や、A上記@を背景としたリスク回避のドル買い圧力、B欧州株の軟調推移、Cドイツを巡る政局不透明感が重石となり、欧州時間朝方にかけて、8/23以来、約1ヵ月ぶり安値となる1.1700まで急落しました。しかし、心理的節目1.1700をバックに下げ渋ると、D米長期金利低下を受けたドル売り圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間午前4時25分現在)では、1.1724近辺まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

国際金融市場は中国恒大集団を巡るデフォルト懸念を背景に週明け早々からリスクオフ相場に見舞われました。9/23に予定されている同社の2022年3月償還債の利払い(83.5百万ドル)や、9/29に予定されている2024年3月償還債の利払い(47.5百万ドル)が予定通り履行されず、(30日経過後に)債務不履行に陥るのではないかとの不安感が広がったことが背景です。これを受けて、香港市場では中国恒大集団への与信額が大きいとされる中国農業銀行や中国民生銀行の株式の投げ売りが活発化し、中国不動産バブル崩壊への連想からグローバルなリスクオフへと繋がりました。

とは言え、習近平国家主席が「重大金融リスクの防止」を強調する中、中国版リーマンショックのような大混乱に繋がるとは考え難く、足元の混乱は一時的なものに留まると予想されます(10/1から始まる国慶節までに終息する公算大)。従って、市場参加者の間では、中国恒大集団絡みで国際金融市場が崩れる局面は「今年最大の逆張りの好機」と捉える向きも少なくありません。また、今週は日本時間9/23未明にFOMC声明やドットチャートが公表されるなど、重要イベントを週後半以降に控えている為、様子見ムードが強まりやすく、本日はやや底堅さを取り戻す展開をメインシナリオとして予想いたします(中国恒大集団を巡るヘッドラインに留意しつつも、ドル円はやや底堅さを取り戻す展開を想定。ショートカバーリスクが大きいことから、安値圏での狼狽売りは避けたいところ)。

本日の予想レンジ:108.90ー109.90

ドル円、中国恒大集団を巡るデフォルト懸念を背景に急反落。リスクオフ到来

ドル円日足

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