結局レンジは脱却できず、往来相場継続か(9/17夕)

17日の東京市場でドルが小高い。110円台回復を目指しドルは買い進められたが、結局とどかなかった。ただドルは高値引け。

結局レンジは脱却できず、往来相場継続か(9/17夕)

結局レンジは脱却できず、往来相場継続か

〇本日のドル円、一時109.90-95まで上昇、110円台には届かなかったが高値引けでドルが小高い展開
〇小レンジ下限109.41を一時割り込むも中レンジ下限109.11割り込めず、ドルの下値トライ失敗に終わる
〇来週22日の米FOMCを控え、しばらく109.11-110.45レンジ内での動きか
〇本日は9月ミシガン大学消費者信頼感指数速報発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.40-110.30

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場でドルが小高い。110円台回復を目指しドルは買い進められたが、結局とどかなかった。ただドルは高値引け。

ドル/円は109.70-75円で寄り付いたのち、当初は揉み合い。その過程で日中安値の109.65円レベルを示現した。しかし、徐々に買い進められると109.90-95円まで上昇。日経平均株価の堅調推移に加え、東京勢3連休前ということでのポジション調整を含めた需給要因が取り沙汰されていたようだ。16時現在ドル/円は109.85-90円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、本日の東京は円全面安の流れとなり、これまで弱含みだったクロスも軒並み小じっかり。ただ、スイス/円などは上値も重く上げ渋りの感も。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「米ファンダメンタルズ」について。
前者は、金融市場でサプライズと捉えられたものが「中国によるTPP加入申請」。タイミング的には、自民党総裁選や衆院選などでゴタゴタしている日本への揺さぶり目的、との指摘も聞かれていた。なお、この件について米国務省報道官は、「中国のTPP加盟交渉は厳しいものになる」といった見解を示すなど、取り敢えずは冷静な反応を示していたようだ。一方、それとは別に台湾が中国の圧力対抗を背景として、「防衛費の大幅増」を表明し話題となっていた。
対して後者は、昨日は幾つかの米経済指標がまとめて発表され、その内容はマチマチ。ただ、市場の関心がもっとも高かった8月の小売売上高が予想と大きく乖離する好数字、ポジティブサプライズとなり、流れを変えるドルの買戻しを誘発させている。一旦後退した感のあるFRBの「早期テーパリング」観測も再燃、来週のFOMCに向けてドルを下値で積極的には売りにくくなったのかもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

「またもや」と言うべきなのか「案の定」なのか、ともかくドル/円は、過去3週間ほど推移していた「小レンジ」の下限である109.41円を一時割り込んだものの、「中レンジ」の下限109.11円でサポートされると、結局「元の木阿弥」に。ドルの下値トライは今回も失敗に終わった格好だ。ここ最近だけでなく、過去2ヵ月程度を見ても109円台と110円台の吸着率は凄まじく、109.11-110.45円などというレンジをしばらく形成することを否定出来ないようだ。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況に変化なく、早くも来週22日に実施予定のFOMC会合が注視されている。ちなみに、先でも触れた「テーパリング」については「年内、11月に開始する」との見方が現在もっとも有力だ。ただ、ブラックアウト期間で当局者からの発言がうかがえないなか、昨日のように発表される米経済指標に一喜一憂する展開がいましばらく続く可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は結局「中レンジ」の下限109.11円を割り込めず、再びレンジ取引の様相に。来週22日の米FOMCにらみ、しばらくは109.11-110.45(110.80)円というレンジ内での動きを続けても不思議はなさそうだ。
ただ、来週は月曜日と木曜日(20日と23日)、2度も東京が休場となることで、ジンクスをもとにレンジ放れへの警戒感を抱く声も一部で聞かれていた。

材料的に見た場合、中長期的には、TPPへの加入申請が物議を醸す「中国情勢」のほか、次々に新株が登場する「新型コロナ変異種」、正式に4名が届け出を行った自民党総裁選を中心とした「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、9月のミシガン大学消費者信頼感指数速報が発表されるものの、材料的にはやや乏しい。ただ、アフガンやイラン、北朝鮮など何が起こっても不思議のない国際情勢や、19日まで実施されるロシア下院選などには注意が必要だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.40-110.30円。14日高値の110.16円が最初の抵抗。上抜ければ110.45円が再びターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期のチャートを見ると109.40-50円が攻防の分岐点となっている感。下回ると今週安値の109.11円を目指す。

結局レンジは脱却できず、往来相場継続か

ドル円日足


※ポイント要約は編集部

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