ドル円、約3週間ぶり安値圏へ下落。米消費者物価指数の伸び率鈍化が重石
〇ドル円米CPIの伸び率鈍化、米株軟調に一時109.53まで下落
〇ユーロドル、CPI発表後の米長期金利低下に1.1846まで上昇するも、株価軟調で1.18近辺に反落
〇パウエルFRB議長の「インフレは一過性」の発言裏付けられ、早期テーパリング期待が後退
〇主要テクニカルポイントを下抜けドル円の上値重い
〇本日発表のNY連銀製造業景気指数、鉱工業生産等に注目集まる
〇ドル円相場の続落を本日のメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:109.20ー110.00
海外時間のレビュー
14日(火)のドル円相場は下落。米金利上昇に伴うドル高圧力を背景に、米国時間朝方にかけて、高値110.15まで上値を伸ばすも、前日高値110.16をバックに伸び悩むと、@米消費者物価コア指数(結果4.0%、予想4.2%、前回4.3%)の伸び率鈍化や、A上記@を背景とした米早期テーパリング観測の後退(米10年債利回りは1.34%から1.26%へ急低下→米ドル売り)、B米主要株価指数の軟調推移(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、米国時間午後にかけて、約3週間ぶり安値となる109.53(8/24以来の安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時50分現在)では、109.68近辺で推移しております。
14日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。@米消費者物価指数の伸び率鈍化や、A上記@を背景とした米長期金利の急低下が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1846まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、BシュナーベルECB専務理事によるハト派的な発言(高インフレは一時的)や、CECBによる早期テーパリング観測の後退、Dドイツを巡る政局不透明感、E米主要株価指数の下落を背景としたリスク回避の円買い・ドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1800まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時50分現在)では、1.1804近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は米消費者物価指数の伸び率鈍化を背景に約3週間ぶり安値圏へと下落しました。パウエルFRB議長による「インフレは一過性」とのスタンスをサポートする結果となったことで、米早期テーパリング観測後退→米長期金利低下→米ドル売りの波及経路に繋がりました。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や90日移動平均線、一目均衡表雲下限を下抜けするなど、テクニカル的にも上値の重さを印象付けるチャート形状となりつつあります。
こうした中、本日は、日本時間21時30分に発表される米9月ニューヨーク連銀製造業景気指数や、同22時15分に予定されている米8月鉱工業生産に注目が集まります。市場予想を下回る結果となった場合には、米景気減速懸念→米主要株価指数下落→リスク回避の円買いの経路と、米景気減速懸念→米テーパリング後ずれ観測再燃→米長期金利低下→米ドル売りの双方の経路でドル円に強い下押し圧力が加わると予想されます。以上を踏まえ、当方ではドル円相場の続落を本日のメインシナリオとして予想いたします(ドル円が約4週間続いた109.50ー110.50レンジから下放れする恐れあり)。
本日の予想レンジ:109.20ー110.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.03.28
東京市場のドルは151円30銭台での小動き、為替介入を意識した神経戦の地合いは継続(24/3/28)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、政府・日銀による介入警戒感が高まっていることで、ドルは151円半ばでの小動き推移となった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.03.28
ドル円 ドル高基調継続も、上値は重く上げ渋り(3/28夕)
東京市場はレンジ取引。151円前半を中心とした30ポイント程度で一進一退をたどっている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.03.28
ドル円151円台前半中心の動き、介入警戒感から上値重い (3/28午前)
28日午前の東京市場でドル円は151円台前半中心の動き。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.09.15
ドル円見通し 米CPI発表から下落、持ち合い下限を試すも下放れは回避(21/9/15)
ドル円は9月14日夜の米消費者物価上昇率発表前に110.15円へ上昇して13日夕安値と並んだが、CPI発表直後のドル全面安により15日未明には109.51円まで急落した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2021.09.14
米消費者物価の発表注視、レンジ放れなるか(9/14夕)
14日の東京市場はレンジ取引。110円挟み、20ポイントにも満たないなかで、わずかにドルが買われている。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。