米消費者物価の発表注視、レンジ放れなるか
〇本日のドル円、109.95-00で寄り付き110.10レベルへ上昇したが上値重く、110.00-10での保ち合いに
〇1ヵ月近く109.41-110.45の1.04円レンジでの取引続く、レンジ放れへの期待も
〇レンジを上方向に抜ければ110.80、下方向ならば109.12が次のターゲット
〇本日発表の8月消費者物価指数への関心高い、指標発表前後の保ち合い放れにも注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.50
<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場はレンジ取引。110円挟み、20ポイントにも満たないなかで、わずかにドルが買われている。
ドル/円は109.95-00円で寄り付いたのち、ドルはじり高。110.10円レベルへと小幅に値を上げたが上値も重かった。その後は、終値ベースで200円以上も上昇した日経平均株価の動きなどをにらみつつも上げ渋ると、110.00-10円での保ち合いに。16時現在、ドル/円は110.00-05円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「アフガン情勢」と「日本の政局」について。
前者は、イラン外務省やアラブ諸国高官からアフガン情勢、あるいはタリバン暫定政権への懸念が相次ぐなか、国連は閣僚級会合を開催し、「各国は国際社会が結集して対応することが不可欠であるとの認識で一致」と発表している。一方、国内外から批判の声があがる「アフガンからの駐留米軍撤収」について、米国務長官は下院公聴会で「撤収の正当性」を改めて主張したという。
対して後者は、月末に実施される自民党総裁選へ出馬するか否か去就が注視されていた石破元幹事長だが、共同通信によると「出馬を見送る意向を正式に固めた」もようだ。まだ断定はできないが、これを持ち岸田氏、河野氏、高市氏の3氏を中心とした選挙戦になると思われる。なお、読売新聞は、菅首相ならびに小泉進次郎氏が「河野氏支持を表明へ」などと報じていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は依然としてレンジ取引。109.41-110.45円の1.04円レンジも、すでに1ヵ月近い。もちろん、そんなレンジ取引がまだしばらく続く可能性も否定できないものの、本日欧米時間には注目材料を控えていることもあり、レンジ放れへの期待を抱く向きもあるようだ。ちなみに、抜ける方向性は定かでないが、上方向に抜ければ110.80円、下方向ならば109.12円が次のターゲットに。
引き続き、米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況は変わらず。そうしたなか、すでに来週22日に予定されているFOMC会合へ注目が集まりつつあるが、本日は注目の米経済指標、8月の消費者物価指数が発表される見込みだ。事前予想値は前月比プラス0.4%、前年比同5.3%といった数字が予想されており、そこから乖離すればたとえ一時的にせよ、荒っぽい変動をたどっても不思議はないだろう。
テクニカルに見た場合、度々指摘しているように、ドル/円は1円程度のレンジ取引がすでに1ヵ月近く続いている。そんなレンジ放れのタイミングとして期待されているのが、米FOMCという材料が予定されている来週22日、そして米消費者物価指数が発表される、本14日だ。日柄的にかなり煮詰まっていることもあり、指標発表前後の保ち合い放れにも注意したい。
材料的に見た場合、中長期的には、いわゆる包囲網を意識した動きの王外相のアジア歴訪が別途問題視されている「中国情勢」のほか、自民党総裁選が河野氏など3強による戦いとしてほぼ決定した感のある「日本の政局」、ブースターと呼ばれる3回目の接種問題も根強い「新型コロナ変異種」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月の消費者物価指数が発表される予定だ。市場はかなりナーバスになっており、ちょっとした予想値からのズレでも大きな反応をみせるといった警戒感を抱く向きもある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.50円。昨日高値110.16円が最初の抵抗として注視されている。上抜ければ110.45円、そして8月高値110.80円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、強いサポートは、直近だけでも数回下げ止まっている109.60円前後だが、短期的にはその少し上109.80円前後もサポートとして意識されはじめている。まずは後者の攻防に注目だ。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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