ドル円見通し 110円挟んだ揉み合い続く、今晩の米CPI発表待ち(21/9/14)

110円を挟んだ揉み合いにとどまって手掛かり待ちとなっている。

ドル円見通し 110円挟んだ揉み合い続く、今晩の米CPI発表待ち(21/9/14)

ドル円見通し 110円挟んだ揉み合い続く、今晩の米CPI発表待ち

〇ドル円、9/13夕刻110.15まで高値を切り上げたが深夜109.88へ失速、その後110円を挟んだ揉み合い
〇手掛かり待ちの状況で、今夜の米CPI発表を控え目先は様子見か
〇米10年債利回りは動意に欠け、やや低下気味の推移
〇NYダウは6日ぶりの反発、下げ一服だが下落基調の解消には至らず
〇110.15を超えないうちは下向きとし、109.88割れからは109.60台への下落を想定する
〇110.15超えからは110.20台への上昇を想定、110.25以上は反落注意とする

【概況】

ドル円は9月10日未明に109.61円まで下げたところから戻していたが、13日夕刻に110.15円まで高値を切り上げたところでは売られて深夜に109.88円へ失速、そこは買い戻されて110円到達まで再び戻したが戻り高値切り上げへは進めずに110円を挟んだ揉み合いにとどまって手掛かり待ちとなっている。
8月4日安値108.71円から8月11日高値110.80円まで戻し、8月16日安値で109.10円まで反落した後は110円を挟んだ持ち合いが続いている。この間は109.40円台までを下値支持帯とし、110.40円台までを上値抵抗帯として概ね1円幅での騰落を繰り返しており、その中心値は110円付近にある。米連銀によるテーパリングを意識して米長期債利回り上昇を伴ってのドル高感をさらに強めてゆくのか、7月2日高値111.65円からの下げ一服での持ち合いから下放れて円高感が強まるのか決め手に欠いた状況にある。

9月14日夜は米CPI上昇率の発表があり、予想を上回るならドル高へなびきやすく、予想を下回る場合はテーパリング決定も急がれないとしてドル安に反応しやすい。また15日にはNY連銀景況指数、16日に7月の米小売売上高と週間新規失業保険申請件数等の発表も続く。9月21-22日の米FOMCを控えて連銀高官による発言も規制される時期で要人発言からの手掛かりにも欠けるところで目先は様子見しつつ、まずは今晩の米CPI発表へ向かうというところか。

【米長期債利回り小動き、NYダウは6日ぶり反発】

9月13日の米10年債利回りは前週末比で0.02%低下の1.33%。9月3日の米雇用統計後に1.26%から上昇に転じて7日に1.38%を付けて8月4日以降の最高水準としたが、8日、9日と株売り債券買いの動きで1.28%台へ低下、10日は反発して13日は一時1.35%まで戻したが勢い付かず、13日はダウの反騰で債券売りから利回り上昇となってもよいところだったが動意に欠けてやや低下気味の推移に終わった。

NYダウは6日ぶりの反発で前週末比261.91ドル高と上昇したが、ナスダック総合指数は同9.91ポイント安とわずかに下げた。NYダウは9月3日の米雇用統計発表後の下落から9月10日まで5営業日連続の日足陰線で下落し、安値では34599.61ドルを付けて8月19日安値34690.25ドルを割り込んだため、8月16日の史上最高値35631.19ドルからは二段下げ型の様相となった。13日の反発は10日の日足陰線レンジ内にとどまるもので下げ一服だが下落基調の解消には至らず。下落規模としては6月18日へ下げた時に近いところだが、米金融政策やデルタ株感染拡大問題を踏まえてさらに続落基調に入る場合は6月18日への下落規模を超えてくる可能性もあるところだ。
ドル円としては米10年債利回りが上昇一服で1.38%前後での抵抗にあっている中で長期債利回りが一段と上昇してゆくのかどうかを見極めつつ、株安が深刻化する際のリスク回避的な円高度合いがどの程度になるのかも勘案しておく必要のあるところだ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては、9月3日深夜安値から4日目となる9月10日未明安値で直近のサイクルボトムを付けて戻していたが、13日夕高値で行き詰まった可能性がある。13日深夜反落時の安値110.88円割れを回避するうちは14日夜から15日への上昇余地ありとみるが、13日深夜安値割れからはいったん下げに入るとみて14日深夜から17日未明にかけての間への下落が想定される。

60分足の一目均衡表では13日夕刻への上昇で先行スパンを上抜き、いったん潜り込んだものの転落を回避している。また13日夕高値の後は伸びずにいるため遅行スパンは悪化しやすい位置にある。先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところからは上昇再開とするが、先行スパン転落からはいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は13日夕高値時に60ポイント台後半へ上昇したが深夜に50ポイントをいったん割り込み、その後は50ポイントを挟んだ揉み合いとなっている。60ポイント台回復からは上昇再開とみるが、40ポイント割れからは下げ再開に入り30ポイント割れを試す流れとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、9月13日深夜安値109.88円を下値支持線、13日夕高値110.15円を上値抵抗線とする。
(2)13日夕高値を超えないうちは下向きとし、13日深夜安値割れからは109.60円台への下落を想定する。米CPI統計から急落商状の場合は109.50円割れを試すとみるが109.40円台は8月後半からの下値支持帯のため買い戻されやすいとみる。ただし109.75円以下での推移なら先行スパン雲割れとなり、15日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)13日夕高値超えからは110.20円台への上昇を想定する。110.25円以上は反落注意とするが、米CPI発表から勢い付く場合は11.40円台への上昇を想定する。また110円以上での推移なら15日も高値試しへ向かう可能性が残るとみる。

【当面の主な予定】

9/14(火)
10:30 (豪) 4-6月期 住宅価格指数 前期比 (1-3月 5.4%、予想 6.0%)
10:30 (豪) 4-6月期 住宅価格指数 前年同期比 (1-3月 7.5%、予想 14.0%)
10:30 (豪) 8月 NAB企業景況感指数 (7月 11)
11:45 (豪) ロウ豪中銀総裁、講演
13:30 (日) 7月 鉱工業生産確報値 前月比 (速報 -1.5%)
13:30 (日) 7月 鉱工業生産確報値 前年同月比 (速報 11.6%)
13:30 (日) 7月 設備稼働率 前月比 (6月 6.2%)
15:00 (英) 8月 失業保険申請件数 (7月 -0.78万件)
15:00 (英) 8月 失業率 (7月 5.7%)
15:00 (英) 7月 失業率・ILO方式 (6月 4.7%、予想 4.6%)

21:30 (米) 8月 消費者物価指数 前月比 (7月 0.5%、予想 0.4%)
21:30 (米) 8月 消費者物価指数 前年同月比 (7月 5.4%、予想 5.3%)
21:30 (米) 8月 消費者物価コア指数 前月比 (7月 0.3%、予想 0.3%)
21:30 (米) 8月 消費者物価コア指数 前年同月比 (7月 4.3%、予想 4.2%)

9/15(水)
07:45 (NZ) 4-6月期 経常収支 (1-3月 -28.95億NZドル、予想 -15.72億NZドル)
08:50 (日) 7月 機械受注 前月比 (6月 -1.5%、予想 3.3%)
08:50 (日) 7月 機械受注 前年同月比 (6月 18.6%、予想 15.7%)
09:30 (豪) 9月 ウエストパック消費者信頼感指数 (8月 104.1)
11:00 (中) 8月 小売売上高 前年同月比 (7月 8.5%、予想 7.0%)
11:00 (中) 8月 鉱工業生産 前年同月比 (7月 6.4%、予想 5.8%)
13:30 (日) 7月 第三次産業活動指数 前月比 (6月 2.3%、予想 0.4%)
15:00 (英) 8月 消費者物価指数 前月比 (7月 0.0%、予想 0.5%)
15:00 (英) 8月 消費者物価指数 前年同月比 (7月 2.0%、予想 2.9%)
15:00 (英) 8月 消費者物価コア指数 前年同月比 (7月 1.8%、予想 2.9%)
18:00 (欧) 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 -0.3%、予想 0.6%)
18:00 (欧) 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 9.7%、予想 6.0%)

21:30 (米) 9月 ニューヨーク連銀製造業景況指数 (8月 18.3、予想 18.0)
21:30 (米) 8月 輸入物価指数 前月比 (7月 0.3%、予想 0.3%)
21:30 (米) 8月 輸出物価指数 前月比 (7月 1.3%、予想 0.4%)
22:15 (米) 8月 鉱工業生産 前月比 (7月 0.9%、予想 0.5%)
22:15 (米) 8月 設備稼働率 (7月 76.1%、予想 76.4%)
23:30 (米) EIA週間石油在庫統計
24:00 (欧) レーンECB理事、講演


※ポイント要約は編集部

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