ドル円、値幅を伴いながらも方向感に欠ける展開。米雇用統計待ちの様相
〇ドル円、米中の指標不冴えに米国時間にかけ109.58まで下落
〇その後は月末のドル買いフロー、米長期金利の上昇等に110.08まで急伸
〇ユーロドル、ユーロ圏8月CPIの高進等で欧州時間午後にかけ1.1848まで上昇
〇その後は月末のドル買い、米長期金利上昇に1.18近辺に反落
〇ドル円、週末雇用統計待ちの様相、テクニカルポイントも実勢相場付近に集中し様子見姿勢確認される
〇本日ADP雇用統計、ISM製造業指数等に注目集まるも、よほどのサプライズない限り方向性は出ないか
〇本日の予想レンジ:109.70ー110.40
海外時間のレビュー
月末31日(火)のドル円相場は値幅を伴いながらも方向感に欠ける展開。@中国8月製造業PMI(結果50.1、予想50.2、前回50.4)の冴えない結果や、A上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り、B米8月シカゴ購買部協会景気指数(結果66.8、予想68.0、前回73.4)及び、C米8月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果113.8、予想124.0、前回129.1)の急低下(後者は本年2月以来、半年ぶり低水準)が重石となり、米国時間にかけて、安値109.58(8/24以来、約1週間ぶり安値圏)まで下落しました。しかし、D月末ロンドンフィキシングに絡むドル買いフローが反発を誘うと、E米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは1.27%から1.31%まで上昇)や、F短期筋のショートカバーが支援材料となり、ドル円は一転して110.08まで急伸する荒々しい値動きとなりました。もっとも、買い一巡後は動意に乏しく(週末の米雇用統計を控えた様子見ムード)、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では、110.00近辺で推移しております。
月末31日(火)のユーロドル相場は値幅を伴いながらも方向感に欠ける展開。@ユーロ圏8月消費者物価指数(結果3.0%、予想2.7%)の伸び率高進や、A上記@を背景とした欧州債利回りの上昇、Bオーストリア中銀ホルツマン総裁によるタカ派的な発言(次回会合でテーパリングについて議論する予定)が支援材料となり、欧州時間午後にかけて、高値1.1848まで上昇しました。しかし、一目均衡表雲上限に続伸を阻まれると、C月末ロンドンフィキシングに絡むドル買いフローや、D米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間には、一時1.1796まで下落する場面も見られました。もっとも、売り一巡後は、E週末の米雇用統計を控えた様子見ムードや、Fオランダ中銀クノット総裁によるタカ派的な発言(ECBによる刺激策の減速が可能)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では、1.1810近辺まで持ち直す動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は「米雇用統計」待ちの様相を呈しており、レンジ内で方向感を見出しづらい時間帯が続いております。テクニカル的にも、7つの主要チャートポイントが実勢相場近辺に密集するなど、市場参加者の「様子見姿勢」が確認されます(一目均衡表基準線109.76、90日移動平均線109.80、一目均衡表転換線109.84、21日移動平均線109.85、ボリンジャーミッドバンド109.88、実勢相場110.00、一目均衡表雲下限110.11、一目均衡表雲上限110.13)。
こうした中、本日は日本時間10時45分に発表される中国8月財新製造業PMIや、同21時15分の米8月ADP雇用統計、同22時45分の米8月製造業PMI確報値、同23時00分の米8月ISM製造業景況指数に注目が集まります。
上述の通り市場参加者は既に米雇用統計待ちの状態となっている為、余程強いポジティブサプライズ、ネガティブサプライズが見られない限り、ドル円相場の方向性を見出すには至らないと思われますが、上記の内、米8月ADP雇用統計や、米8月ISM製造業景況指数の雇用項目が共に市場予想を上回る結果となった場合には、週末の米雇用統計への期待感を通じて(一足先に織り込む形で)、米テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高→ドル円上昇の波及経路に繋がる可能性もある為、本日海外時間帯はややアップサイドリスクに注意が必要と予想いたします。
本日の予想レンジ:109.70ー110.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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