ドル円109円台後半のもみ合い、週末雇用統計まで動意は期待薄か
31日午前の東京市場でドル円は109円台後半での狭い値動きを継続。朝方109.92レベルで取引の始まったドル円は、序盤に109.98まで上げたものの節目の110.00を前に売りに押されて反落。午前十時ごろにかけて月末の実需と思われるドル売りに109.85まで値を下げました。その後は方向感を失い、一時109.83まで下げたのち、東京時間正午現在は109.85レベルで取引されています。午前中の取引レンジは109.83-98と狭く、本日も膠着相場が続いています。
日経平均株価は、NYダウが昨晩マイナス圏で終了したこと、国内でのコロナ重症者数の増加などを受け、売り先行で始まりました。
その後は一部の銘柄に値ごろ感からの買い戻しも入り、前日終値付近で一進一退となり、53円安で午前の取引を終了しています。
昨晩の海外市場でもドル円は新規材料難から109.75-96の狭いレンジで膠着状態。
先週末のパウエル議長の講演以降早期テーパリング観測、および利上げ観測が後退、米長期金利は低下傾向となっており、リスク選好は回復傾向です。昨晩NYダウは小幅に反落しましたが、S&P500指数、ナスダック総合指数はそれぞれ史上最高値を更新しています。
尚、未明に米軍はアフガニスタンからの撤収を完了したと発表、為替市場には今のところ大きな反応はありません。これをもって今回のアフガニスタンをめぐる一連の動きが終了し、タリバン政権下でアフガニスタンが「安定化」することにより短期的に地政学リスクが後退したとみるのか、逆に、アフガニスタンが再びテロの温床となる惧れのあること、タリバン政権下での周辺国への難民の増大、さらに、今回のなりふり構わぬ撤収による米国への不信感や、国際的立ち位置の弱体化懸念から、中長期的地政学リスクの増大を懸念すべき状況なのか、市場がすぐに判断し反映させるのは難しそうです。
テクニカルにはドル円は、21日線、転換線、基準線、90日線等が109.76-86付近に密集してサポート。上方向は一目均衡表の「雲」下限(本日110.09)をターゲットに見据えて、強持ち合いが継続しており、膠着継続には居心地の良い立ち位置と言えそうです。
8月相場のボラティリティ低下に泣いていた市場関係者にとって、今月後半期待のイベントであったジャクソンホールでのパウエル議長講演が「不発」で終了した形となり、為替市場は再び手掛かりを失った形です。
夏枯れ相場の終息を月替わりの明日以降に期待したいところですが、現況では週末雇用統計までは、だらだらとした相場が続きそうな気配です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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