FRB議長講演を注視、期待先行の感も(8/27夕)

27日の東京市場はレンジ取引。NY時間に注目のジャクソンホール会合・FRB議長講演を控えていることもあり、商いは全体的に閑散としていた。

FRB議長講演を注視、期待先行の感も(8/27夕)

FRB議長講演を注視、期待先行の感も

〇ドル円、110円を挟んだ20ポイント程度のレンジ内で一進一退、積極的な動意手控えられる
〇今週のドル/円は80銭程度の変動にとどまる、レンジをしっかりと上放れ出来るのか注目
〇昨日高値110.23をしっかり超えれば月間高値110.80がターゲットに
〇パウエルFRB議長講演に要注意、内容によっては市場はやや荒れた展開をたどる可能性も
〇本日はFRB議長講演の他、7月PCEデフレーター・8月ミシガン大学消費者信頼感指数確報発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.50-110.50

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場はレンジ取引。NY時間に注目のジャクソンホール会合・FRB議長講演を控えていることもあり、商いは全体的に閑散としていた。

ドル/円は110.05円前後で寄り付いたものの、110円挟みの往来相場。20ポイント程度のレンジ内で一進一退をたどっている。株価などの動きをにらみつつも、積極的な動意は手控えられ、ほぼ方向性はうかがえなかった。16時現在、ドル/円は110.00円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、ドル/円以外の主要通貨ペアの動意も乏しいなか、気を吐いたのは南ア・ランド。対円では7.39円の昨日高値にほぼ面合わせ。戻り高値更新をうかがう動きだった。

一方、材料的に注視されていたものは、「アフガン情勢」と「米金融政策」について。
前者は、アフガニスタンの首都カブールの空港周辺で起きた自爆攻撃とみられる爆発を受け、為替市場も一時荒れ模様。ちなみに、米軍などはイスラム主義勢力タリバンと敵対する過激派組織IS戦闘員による自爆テロとの見方を強めているもようだ。ただ、サキ報道官によると、それでもバイデン米大統領は8月末までのアフガン撤収期限を変更させる意思がないという。
対して後者は、ジャクソンホール会合・パウエルFRB議長講演をにらみつつも、複数の米当局者からタカ派発言が相次いでいた。たとえば、カンザスシティ連銀総裁は「FRBは早めのテーパリングを始めるべき」、ダラス連銀総裁からは「9月FOMCで買い入れを調整計画の発表を」、セントルイス連銀総裁「現時点では資産購入は必要ない」−−などといったコメントが伝えられている。果たして、本日のパウエル氏講演も、この流れに沿ったものとなるのだろうか。また、それとは別にブルームバーグは、来年2月に任期が切れるFRB議長人事について「バイデン氏側近はパウエル議長再任を想定」などと報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、昨日レンジ上限である19日高値110.22円に面合わせをするも超えられず。その後、本日の東京に掛けては110円挟みのドル強保ち合いとなっている。年初からの動静からすると、実は決して珍しいことではないものの、今週のドル/円はここまで80銭程度の変動にとどまっており、次なる方向性を示すエネルギーが蓄積されている感も否めない。敢えて指摘するなら、ドルは上方向へのリスクがやや高い気もするが、果たしてレンジをしっかりと上放れすることは出来るのか注目だ。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況が継続するなか、本日NY時間に実施されるジャクソンホール会合・パウエルFRB議長の「経済見通し」講演にまずは要注意。先でも取り上げたように、「周辺」からの発言をみても早期テーパリング開始観測は根強いが、「パウエル氏のスタンスは基本的に変化なし」などといった見方も取り沙汰されている。やや期待感が先行しているイメージもある。ともかく、強弱両方の見解が交錯するなか、実際のパウエル発言をめぐり市場はやや荒れた展開をたどる可能性もありそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は辛うじてレンジ内ではあるものの、その上限を意識した動き。複数の米地区連銀総裁からタカ派発言が相次いだことなどがドル高に安心感を与えていることは間違いない。昨日高値の110.23円をしっかり超えれば、月間高値110.80円がターゲットとなるが果たして。逆に、市場が強気へと傾斜しすぎている感もあるだけに、パウエル発言が失望に終わると、一転して下値を試すという展開もあるだろう。

材料的に見た場合、中長期的には、米国はもちろん領土問題などで日本との軋轢も目に付く「中国情勢」に加え、米中を中心に国際世論を二分しつつある「アフガン情勢」。また、自民党総裁選の日程が固まった「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月のPCEデフレーターや8月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表される予定だ。昨日発表された米GDP改定値が思いのほか改善しなかったこともあり、米経済指標への警戒感は根強いが、やはりハイライトはジャクソンホール会合か。前後の金融市場には要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.50-110.50円。昨日高値でレンジ上限にもあたる110.23円が最初の抵抗。上抜けると110.80円を目指す展開となるが、上値も重そうだ。
対するドル安・円高方向は、すでに109.90円前後から下値が堅くなりつつある。ただ明確な下値メドとなると前回安値109.41円か。

FRB議長講演を注視、期待先行の感も

ドル円日足


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