ドル円、狭いレンジ内で膠着。今月のメインイベント「ジャクソンホール会合」に注目
〇昨晩のドル円、110円台前半中心の膠着状態
〇ユーロドル、ECB議事要旨でフォワードガイダンス変更に反対があったことが判明し、1.1781まで上昇
〇その後はFRB関係者のタカ派発言、カブールでの爆発発生で1.17台半ばに反落
〇本日23:00から今月のメインイベント「ジャクソンホールでのパウエル議長の講演」
〇テーパリングへの地ならしとなる発言の有無に注目、いずれにせよ往って来いの相場となるか
〇本日の予想レンジ:109.50ー110.50
海外時間のレビュー
26日(木)のドル円相場は狭いレンジ内で膠着。@米長期金利の上昇(米10年債利回りは一時1.37%まで上昇)や、A米当局者のタカ派的な発言(カンザスシティ連銀ジョージ総裁や、セントルイス連銀ブラード総裁、ダラス連銀カプラン総裁)が支援材料となる中、米国時間朝方にかけて、日通し高値110.23まで上昇しました。しかし、一目均衡表雲上限に続伸を阻まれると、Bアフガニスタンの首都カブールの国際空港周辺で少なくとも2回の爆発が発生したことや、C上記Bを背景とした地政学的リスクの高まり(リスク回避ムード再燃→株安→クロス円下落→ドル円連れ安)、D重要イベント(ジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長講演)を控えたポジション調整が重石となり、本稿執筆時点(日本時間午前5時25分現在)では、110.05近辺まで反落する動きとなっております。
26日(木)のユーロドル相場は上昇後に反落。@ECB理事会議事要旨(7/22開催分)で「フォーワードガイダンスの変更について少数のメンバーが賛成表明を見送ったこと」が伝わると、ユーロドルは一時1.1781(8/17以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、一目均衡表基準線に続伸を阻まれると、A米当局者によるタカ派的な発言や、Bアフガニスタンを巡る地政学的リスクの高まり(首都カブールの国際空港周辺で少なくとも2回の爆発が発生)、C上記Bを背景としたリスク回避ムードの再燃(対欧州通貨でのドル買い圧力)が重石となり、米国時間にかけて、日通し安値1.1746まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時25分現在)では、1.1753近辺で推移しております。
本日の見通し
本日はいよいよ今月のメインイベントである「ジャクソンホール会合のパウエルFRB議長講演」が発表されます。講演は日本時間23時00分に予定されており、金融政策の先行きに関する何かしらのヒントが示されるのか否かに注目が集まっております。米当局者によるタカ派的な発言、8/6に発表された米7月雇用統計の力強い結果、FOMC議事要旨のタカ派的な内容を踏まえると、パウエルFRB議長は今晩の会合で米早期テーパリングに前向きな発言(地均し)を行う可能性が高いと考えられます。この場合、米長期金利上昇→米ドル高の経路で直後はドル高・円安で反応するシナリオが想定されますが、過剰流動性相場逆流への想起から株式市場が崩れれば、リスク回避の円買い→クロス円下落→ドル円連れ安に波及する恐れもあるため、ドル円急伸後の急反落にも注意が必要でしょう。
一方、パウエル氏が新型コロナウイルス感染再拡大の影響を考慮して米早期テーパリングに慎重な姿勢を示した場合は、米早期テーパリング観測後退→米長期金利低下→米ドル安の経路で直後のドル円には強い下押し圧力が加わることが予想されます。しかしこの場合も同様に、米テーパリングの後ズレを好感して株式市場が急伸する展開となれば、リスク選好の円売り→クロス円上昇→ドル円連れ高の経路でドル円を押し上げる可能性(急落後の急反発)もある為、今晩のパウエルFRB議長講演は、タカ派であれ、ハト派であれ、「往って来い」のリスクに注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:109.50ー110.50
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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