明日のFRB議長講演にらみつつドル高進行も(8/26夕)

26日の東京市場はドル小じっかり。翌日に注目のジャクソンホール会合・FRB議長講演を控えていることもあってか、レンジは狭いがややドル買いが優勢だった。

明日のFRB議長講演にらみつつドル高進行も(8/26夕)

明日のFRB議長講演にらみつつドル高進行も

〇ドル円、夕方にかけてドルが買い進められ、一時110.15レベルまで値を上げ、ドル小じっかりの展開
〇レンジ内上限近いレベルで推移、8/19高値110.22をしっかり超えれば月間高値110.80がターゲットに
〇失敗すれば、一転してレンジ下限である109円半ばレベルへ下落の可能性も
〇基本的にはジャクソンホール会合待ちで、売買の手控えムードが強いか
〇本日米GDP統計改定値・新規失業保険申請者数など発表、財務省による7年債入札も実施
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.50

<< 東京市場の動き >>

26日の東京市場はドル小じっかり。翌日に注目のジャクソンホール会合・FRB議長講演を控えていることもあってか、レンジは狭いがややドル買いが優勢だった。

ドル/円は109.95-00円で寄り付いたものの、全般的に動意は乏しい。岸田前政調会長が自民総裁選に出馬表明したことで、日本の政局などを注目する声も聞かれたが、為替市場の反応は限定的。109.90-110.10円といった20ポイント程度のレンジ取引をたどるなか、夕方に掛けてややドルは買い進められ、前日高値などを超える110.15円レベルまで一時値を上げている。16時現在、ドル/円はそのまま高値圏をキープし、欧米市場を迎えていた。
なお、クロス円も総じて動きは鈍かったが、それでもユーロ/円やポンド/円は小幅に上昇し、直近の戻り高を更新。流れとしては、やや円売りが目に付いた。

一方、材料的に注視されていたものは、「アフガン情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、ロイターが国連の内部資料をもとに「タリバンによる婉曲的な脅迫や国連事務所の略奪、国連職員への身体的虐待などが判明」と報じ物議を醸す。しかし、中露首脳は再び電話会談を行い、中国が「アフガンの主権と独立を尊重し干渉しない」という姿勢を改めて示すなど、容認スタンスをさらに鮮明にしていた。そうしたなか、米国務長官はアフガンに「退避を求める米国人1500人が依然残留中」であることを明らかにしている。

対して後者は、米紙WSJが、当初「ワクチン接種完了から8ヵ月後」と発表されていた新型コロナワクチンの追加接種(ブースター接種)について、「少なくとも6ヵ月後の接種を承認する可能性がある」と報じ話題に。一方、いわゆる「コロナの起源」をめぐり、米中が激しい鍔迫り合い。中国は、今後公表される米報告書を意識し「根拠がなく根も葉もない政治的な動機による非難を受け入れることはない」とした声明を発表しウイルス起源をめぐる非難へ先行して警告を発しただけでなく、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長に書簡を送り、米メリーランド州の陸軍医学研究施設と米ノースカロライナ大を調査するよう求めたと発表していた。最近、中国は「新型コロナは米国起源」であることを盛んに喧伝している。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は大局的にはレンジ内にとどまっているが、本日東京夕方段階では110.10円前後と、上限に近いレベルで推移している。19日に示現した高値110.22円をしっかり超えれば、月間高値の110.80円がターゲットに。このままドルは続伸し、レンジを上放れていくのか注目だ。ただ失敗すれば、一転して短期のレンジ下限である109円半ばなどへと下落する可能性もある。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況は継続しており、そのうち27日に実施されるジャクソンホール会合・パウエルFRB議長の「経済見通し」講演がとくに注視されていることは間違いない。新型コロナの感染拡大状況を含めた、発表される日々の米経済指標などに本日も注意を払いたいが、基本的には前記したジャクソンホール会合待ちか。しかし、売買の手控えムードが強まりつつあるだけに、逆に荒い値動きを警戒する声もあるようだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は前述したように引き続きレンジ内ではあるものの、その上限を意識した動きとなっている。時間足など短期ベースでは最低でも4-5回はトライして超えられなかった110.22円をしっかり超えれば、ジャクソンホール会合前ではあるものの、さらなる高値を試す可能性も否定できない。
ただ、明日のパウエル氏講演は予想よりマイルドなものになるとの見方もあるだけに状況を見極めたく、目先はあまり積極的に上値を買いたくない気もしている。

材料的に見た場合、中長期的には、新型コロナの起源をめぐる米国との対立が新たに浮上した感もある「中国情勢」に加え「アフガン情勢」。また、岸田前政調会長が自民総裁選に出馬表明したことで風雲急を告げる様相を呈してきた「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、4-6月期GDP統計改定値や週間ベースの新規失業保険申請者数などが発表される予定であり、米財務省による7年債の入札も実施される見込みだ。ちなみに、米GDP改定値は速報値より改善されると予想されていることから、逆に悪化した場合には市場の反応が大きいのかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.50円。直近高値でレンジ上限にもあたる110.22円が最初の抵抗。上抜けると110.80円を目指す展開に。
対するドル安・円高方向は、109.90円前後が一応の下値メド。割り込んだ場合には前回安値109.41円がターゲットとなりそうだ。

明日のFRB議長講演にらみつつドル高進行も

ドル円日足


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