上下ともトライし、結局レンジへ回帰(8/20夕)

20日の東京市場は往来相場。一時ドル高が進行したものの続かず、終わってみればドルは小安い。

上下ともトライし、結局レンジへ回帰(8/20夕)

上下ともトライし、結局レンジへ回帰

〇本日のドル円はドルが小安い、109.85-90へ値を上げるも一転ドル売り優勢に、109.60-65まで下げる
〇豪ドルは対円・対ドルで続落、連日の年初来安値更新記録
〇下値に続き上値トライも失敗した感、短期的には109.11-110.22レンジ内での往来相場となるか
〇市場の関心は来週のジャクソンホール会合に集まる、次の動意は来週に持ち越しか
〇日欧米時間のドル/円予想レンジは109.20-110.00

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場は往来相場。一時ドル高が進行したものの続かず、終わってみればドルは小安い。

ドル/円は109.75円前後を寄り付いたのち、小幅に買い進められる展開。日中高値の109.85-90円へと値を上げた。しかし110円を前に失速すると、一転してドル売りが優勢に。オープンレベルを下回る109.60-65円まで売り込まれたのちは低位揉み合い。16時現在では109.65-70円の安値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
そうしたなか、前日に続きポンドやランドのほか、カナダドルも下値を探る動きをたどったが、敢えてひとつだけ取り上げれば、やはり豪ドルが非常に興味深い動き。対円やドルで小幅ながら続落すると、連日の年初来安値更新を記録している。

一方、材料的に注視されていたものは、「米国情勢」と「アフガン情勢」について。
前者は、幾つかの違う視点で米国情勢が話題に。そのひとつは、首都ワシントンの連邦議会議事堂そばで発生した「爆弾騒動」。付近が通行止めになるなど多大な影響が出たとされるが、そののち犯人とされる男が逮捕されている。また、バイデン米大統領がインタビューで、「NATO加盟国や日本、韓国、さらに台湾に対しても防衛義務がある」と述べたことが思惑を呼ぶ。台湾に関しては明らかな「失言」であり、そののち政権高官が修正に追われていた。なお、FRBは来週27日にジャクソンホール会合を行い、「パウエル議長が経済見通しについて講演する」旨を正式発表している。

対して後者は、G7外相がオンライン形式で会談を行い、「アフガニスタン情勢悪化の阻止に向けた国際社会の団結」を呼び掛けた。またロシア大統領と仏伊首脳、別に英中外相によるそれぞれの電話会談なども実施されている。ただ、バイデン米大統領が「タリバンの基本的な信条は変わっていない」との認識を示すなど、西側諸国の厳しい見解に対し、中国は王外相が「タリバンに圧力を加えるのではなく、政権移行を支援すべき」という考えを明らかにするなど、対応の違いが鮮明になった。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は目先安値から1円を超える反発をたどり、レンジの上抜け期待がかかるも、そののち失速。高値110.22円を示現したのちは、109円台へと押し戻されている。下値トライに続き、上値トライも失敗した感を否めない。となると、短期的には今週形成した109.11-110.22円というレンジ内での往来相場か。次なる動意は前述したジャクソンホール会合が予定されている来週へと持ち越される可能性もある。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況が続くなか、市場の関心は早くも前記したジャクソンホール会合へ。また、本日は米経済指標の発表や要人の講演などに関して新規材料に乏しく、そうした意味では動きにくそうな雰囲気だ。しかし「新型コロナ」や「アフガン情勢」などが波乱要因として引き続き取り沙汰されるなか、先でも取り上げたようにポンドやランド、加ドル、豪ドルなどはなかなか興味深い値動きだ。ドル/円よりも、クロス円などの動きが要注意だろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は109.11-110.22円という短期的な新レンジを形成。足もとはそのなかでの往来相場となっている。油断は禁物だが、基本的にはこのあと欧米時間も前記レンジ内での値動きか。
為替市場全体を見ても、現在はドル高・円高の様相。同じ方向へと動きやすく、結果としてドル/円はレンジ取引をたどることが多い。そして、その傾向はこのあとも続く可能性がある。

材料的に見た場合、中長期的には、アフガン情勢でも日米欧との意見対立が顕著な「中国情勢」、パラリンピック開幕が迫るなか再び与党・自民党への不満の声が高まってきた「日本の政局」、「新型コロナウイルス変異種(デルタ株)」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標の発表として特段予定されているものがない。ただ、カプラン・ダラス連銀総裁の講演が実施される見込みで、こちらは要注意か。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.20-110.00円。本日東京高値の109.85-90円が最初の抵抗。近くには移動平均の21日線も位置している。超えれば110円乗せ、110.22円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、引き続き109円半ばが弱いサポート。ただ、徐々に強いサポートへと育ちつつある感も。割り込んだ場合には109.11円を目指す。

上下ともトライし、結局レンジへ回帰

ドル円日足


※ポイント要約は編集部

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