FOMC議事録要旨に注目、レンジから脱却もあるか(8/18夕)

18日の東京市場はドルが小じっかり。2日続けて109.10円レベルで下げ止まり、下値トライを失敗した感のあったことから、ドル買戻しが目に付いた。

FOMC議事録要旨に注目、レンジから脱却もあるか(8/18夕)

FOMC議事録要旨に注目、レンジから脱却もあるか

〇本日のドル円、値動き20ポイント強のレンジ取引、寄り付きに近い109.55-60で欧米市場を迎える
〇ドル円の下値トライ失敗、短期的には109-110円レンジ取引の様相、明確な方向性乏しい
〇本日公開の前回のFOMC議事録要旨に注目、緩和長期化姿勢が優勢なら再びドル安進行の可能性も
〇テクニカルには、下値トライを失敗した感から上方向への動きに要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.10-110.00

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場はドルが小じっかり。2日続けて109.10円レベルで下げ止まり、下値トライを失敗した感のあったことから、ドル買戻しが目に付いた。

ドル/円は109.60円前後で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。実際、値動きは20ポイント強にとどまったが、そのなかでドルはやや買い進まれている。日経平均株価が一時200円を超える上昇をたどったことなどもリスク志向、ドル買い・円売りを後押ししていたという。ただ、如何せん上値も重く、16時現在では寄り付きに近い109.55-60円で推移、欧米市場を迎えていた。
そうしたなか、興味深い動きをたどったのはNZドル。根強い利上げ観測も取り沙汰されていた同国中銀の金融政策決定会合結果が「据え置き」と発表され、前後の相場は荒れ模様となった。しかし、結果的に小じっかり。元のレベルへと回帰している。

一方、材料的に注視されていたものは、「アフガン情勢」と「新型コロナ」について。
引き続き市場の話題を席巻していたのは、前者の「アフガン情勢」。アフガンを制圧したタリバンが会見実施し、「報復せず」などと融和を強調するコメントを発するも警戒感を抱く向きが依然として多い。実際、ドイツ首相は「現在の状況では開発援助はできない」と述べ、一時的に停止する方針を明らかにしたほか、カナダ首相は「タリバンを政権と認めない」と明言していた。そうしたなか、米英首脳が電話会談を行い、来週にもG7首脳によるオンライン会議を開催することで合意したようだ。

対して後者は、ニュージーランドが全土でロックダウンすると発表したほか、日本も政府が緊急事態に7府県を追加するとの方針を正式決定している。また、米国ではマスク義務反対派と言われるテキサス州知事のコロナ感染が明らかになったが、それほどの大騒動にはならず。米紙WSJは「感染終息を目指してきたドイツ、イタリア、フランスなどはコロナとの共存に備えようとしている」などと論じていたが、米国もコロナ撲滅から共存へと戦術を変えてきた感を否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円の下値トライは失敗に終わり、市場は再びレンジ取引の様相を呈している。明確な方向性は乏しい。そんなレンジを広めにとれば108.72-110.80円の約2.1円となるが、短期的に言えばザックリ109-110円か。後者の1円レンジをめぐる攻防にまずは注目で、超えた場合には前者2.1円レンジが意識されることになりそうだ。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況に変化なし。発表される米経済指標はまだら模様で決め手に欠けるなか、本日は前回7月27-28日に実施されたFOMCの議事録要旨が公開される見通しで、こちらが注視されている。市場に伝えられる米地区連銀総裁などの発言を聞く限り、以前よりタカ派的な意見が増えている感もあるが、果たして実際のところはどうか。変化に乏しく、今回も緩和長期化姿勢が優勢なら再びドル安が進行する可能性も。

テクニカルに見た場合、ドル/円は目先高値110.80円から2円近い下げを一時たどるも109円は割り込めず、足もとはむしろ戻り歩調。再び方向性を欠いた状態になった感を否めず、ひょっとすると109-110円といった新レンジを形成する可能性もある。
ただ、敢えてリスクを指摘すれば、前述したように短期的には下値トライを失敗した感がある故に、上方向への動きに要注意。移動平均の21日線などを超え、110円台へとしっかり乗せれば世界観に変化が生じることも。

材料的に見た場合、中長期的には、現在行われている全人代常務委も注視されている「中国情勢」や、菅首相下ろしの声も取り沙汰はじめた「日本の政局」、「デルタ株の中心とした新型コロナウイルス変異種」、「アフガン情勢」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月の住宅着工件数などが発表されるほか、米財務省による20年債の入札も実施される見通しだ。前回7月27-28日に実施されたFOMCの議事録要旨が公開される予定となっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.10-110.00円。まずは本日高値の少し上、週間のドル高値である109.75円が最初の抵抗。超えれば21日線なども近い110円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、少なくとも時間足など短期ベースでは2-3度トライするも下回れなかった109.10円レベルがなかなか強いサポート。下回ると109円割れ、前回安値108.72円が再び意識されそうだ。

FOMC議事録要旨に注目、レンジから脱却もあるか

ドル円日足


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