ドル円、約2週間ぶり安値圏へ続落。不冴な米経済指標と地政学的リスクが重石(8/17朝)

週明け16日(月)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、約2週間ぶり安値圏へ続落。不冴な米経済指標と地政学的リスクが重石(8/17朝)

ドル円、約2週間ぶり安値圏へ続落。不冴な米経済指標と地政学的リスクが重石

〇ドル円、米長期金利低下やNY連銀製造業景況指数の悪化に、海外時間に109.11まで下落
〇アフガニスタン情勢を巡る地政学リスクも市場の重石に
〇ユーロドル1.18台を維持できず1.17台後半での推移、欧州でのコロナ感染拡大と先行き不透明感強まる
〇ドル円金曜発表のミシガン大消費者信頼感指数悪化以降のドル売り継続
〇テクニカルには21日線、90日線等主要テクニカルポイント下抜け地合い悪化
〇本日発表の米小売売上高、パウエル議長講演等要注視
〇本日の予想レンジ:108.80ー109.60

海外時間のレビュー

週明け16日(月)のドル円相場は上値の重い展開。東京市場寄り付き前のオセアニア時間帯に一時109.75まで上値を伸ばすも、90日移動平均線に続伸を阻まれると、@アフガニスタン情勢を巡る地政学的リスクの高まり(反政府組織タリバンがアフガニスタン政権を20年ぶりに掌握)や、A中国の主要経済指標の冴えない動き(7月小売売上高・7月鉱工業生産・7月固定資産投資が軒並み不冴な結果→中国経済の減速リスク再燃)、B新型コロナウイルス・デルタ株の世界的な感染拡大、C上記@ABを背景とした株式市場の冴えない動き(リスク回避の円買いを誘発)、D米長期金利の急低下(ドル売り)、E米8月ニューヨーク連銀製造業景気指数(結果18.3、予想29.0、前回43.0)の冴えない結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値109.11(8/4以来、約2週間ぶり安値圏)まで下落しました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では109.28近辺で推移しております。

週明け16日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.1801まで上値を伸ばすも、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、@欧州圏で広がる新型コロナウイルス・デルタ株の感染拡大や、A欧州経済の先行き不透明感、Bアフガニスタン情勢を巡る地政学的リスク(リスク回避のドル買い・円買いを誘発)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1767まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では、1.1778近辺で推移しております。

本日の見通し

ドル円は先週末金曜日に発表されたミシガン大消費者信頼感指数のネガティブサプライズ後の流れを引き継ぎ、約2週間ぶり安値となる109.11まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや雲下限、21日線や90日線といった主要テクニカルポイントを軒並み下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となっております(目先は、8/4に記録した直近安値108.72を死守できるか否かに注目が集まります)。ファンダメンタルズ的に見ても、先週までは米早期テーパリング観測(8/6に発表された米雇用統計が力強い結果を示した他、米当局よりタカ派的な発言が相次いだこと)を背景に、ドル高地合いが強まりましたが、上述のミシガン大消費者信頼感指数の冴えない結果を受けた後は、米スタグフレーション懸念が台頭し、一転してドル売り・円買いが強まる展開となっております。

こうした中、本日日本時間21時30分に発表される米7月小売売上高や、同22時15分の米7月鉱工業生産、同23時00分の米8月NAHB住宅市場指数、同2時30分のパウエルFRB議長講演、同4時45分のミネアポリス連銀カシュカリ総裁タウンホール会議等に注目が集まります。特に米7月小売売上高への注目度が高まっており、仮に市場予想を下回る結果となれば、もう一段、ドル売り・円買いが強まる可能性もあり、注意が必要でしょう(当方は短期的にも中長期的にもドル円上昇をメインシナリオとして予想しているものの、今月のメインイベントであるジャクソンホール会合を来週に控える中、超短期的な視点でポジション調整主導のダウンサイドリスクを警戒しております)。

本日の予想レンジ:108.80ー109.60

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約2週間ぶり安値圏へ続落。不冴な米経済指標と地政学的リスクが重石

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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