ドル円、約3週間ぶり高値圏へ急上昇。本日は米CPIがメインイベント
〇ドル円、一時110.60まで上昇、リスク選好、米長期金利上昇、米上院のインフラ投資法案可決が背景
〇ユーロドル、米金利上昇と独ZEW景況感調査の冴えない結果に一時1.1710まで下落、年初来安値に迫る
〇ドル円一目均衡表の「雲」上限突破が射程内、上抜けると一段のドル買い地合いに
〇今晩の米7月CPIに注目、市場予想上回ると111.0、111.67等目指すか
〇ドル円相場上昇がメインシナリオ
〇本日の予想レンジ:110.20ー111.00
海外時間のレビュー
10日(火)のドル円相場は堅調な値動き。@欧米株及び原油先物価格の上昇を背景としたリスク選好の円売り圧力(米ダウ平均株価はヒストリカルハイを更新)や、A米早期テーパリング観測の高まりを背景とした米長期金利の上昇(米10年債利回りは7/15以来となる1.34%へ上昇)、B米上院でのインフラ投資法案可決(1兆ドル規模のインフラ投資法案は賛成69、反対30で上院可決)、Cテクニカル的な地合いの強さ(節目110.00が死守されたことに伴う短期筋のショートカバー)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、7/23以来となる高値110.60まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時20分現在)では110.57近辺で推移しております。
10日(火)のユーロドル相場は続落。@欧州圏で広がる新型コロナウイルスの感染拡大リスク(欧州経済の先行き不透明感)や、A米早期テーパリング観測の高まりを背景とした米長期金利の上昇圧力(米ドル高)、Bドイツ8月ZEW景況感調査(結果40.4、予想56.7、前回63.3)の冴えない結果が重石となり、米国時間午後にかけて、3/31以来、約4ヵ月半ぶり安値となる1.1710まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時20分現在)では、1.1718近辺で推移しております(3/31に記録した年初来安値1.1703が射程圏内)。
本日の見通し
ドル円は一時110.60まで上値を伸ばし、7/23以来となる高値を記録しました。下位足(240分足以下)で強い買いシグナルが点灯している他、日足ベースでも一目均衡表雲上限突破を射程圏内に捉えるなど(110.73前後に位置する一目均衡表雲上限を突破出来れば、強い買いシグナルを示唆する三役好転の点灯を通じて、もう一段、ドル買い・円売りが強まる可能性あり)、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております(7/23高値110.60、7/14高値110.71を上抜け出来れば、次のターゲットは7/2に記録した年初来高値111.67)。
こうした中、本日は日本時間21時30分に予定されている米7月消費者物価指数及び同コア指数に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば(特にコア指数)、インフレは一時的との見方が遠のき、米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円が心理的節目111.00や、7/2に記録した年初来高値111.67に向けて一気に上伸する可能性もある為、アップサイドリスクに注意が必要でしょう。また、今晩は米CPI以外にも、アトランタ連銀ボスティック総裁講演や、カンザスシティ連銀ジョージ総裁講演も予定されております。タカ派的な見解が示されれば、8/26ー8/28のジャクソンホールでの地均しを経て、9/21ー9/22のFOMCでテーパリング開始の発表を行うのではないかとのシナリオが再浮上する為、ドル円に強い上昇圧力を加える要因として警戒されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:110.20ー111.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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