ドル円、節目110.00の大台死守。米当局者によるタカ派発言が支援材料に
〇ドル円、商品価格の下落、米長期金利低下に米国時間朝方に110.03まで下落
〇110.00を前に踏みとどまると、その後はFRB関係者のタカ派発言等で110.30台に戻す
〇ユーロドルリスク回避の動きと米長期金利の低下に1.1735まで下落
〇ドル円先週末の米雇用統計後に記録した高値と同値の高値110.36まで反発、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズ的にも、力強い米雇用統計を背景に米早期(年内)テーパリング観測が再燃
〇本日海外時間はアップサイドリスクに警戒が必要、本日の予想レンジ:110.00ー110.70
海外時間のレビュー
週明け9日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@国際商品市況(金・銀・原油など)の値崩れを背景としたリスク回避の円買い圧力や、A米長期金利の低下を背景としたドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値110.03まで下落しました。しかし、心理的節目110.00をバックに下げ渋ると、B米6月JOLT求人件数(結果1000.7万件、予想927.0万件、前回920.9万件)の力強い結果や、Cアトランタ連銀ボスティック総裁によるタカ派的な発言(比較的早期のテーパリングを支持)、Dボストン連銀ローゼングレン総裁によるタカ派的な発言(今秋にテーパリングを開始する旨を9月に発表すべき)、E上記BCDを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債券利回りは1.27%から1.32%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値110.36まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では110.34近辺で推移しております。
週明け9日(月)のユーロドル相場は続落。@国際商品市況(金・銀・原油など)の値崩れを背景としたリスク回避のドル買い・円買い圧力や、A欧州圏で広がる新型コロナウイルスの感染拡大リスク、B米経済指標の良好な結果、C米当局者によるタカ派的な発言、D上記BCを背景とした米長期金利の急上昇が重石となり、米国時間午後にかけて、4/1以来、約4ヵ月ぶり安値となる1.1735まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では、1.1736近辺で推移しております(3/31に記録した年初来安値1.1703を試す展開)。
本日の見通し
ドル円は米国時間朝方にかけて一時110.03まで反落するも、心理的節目110.00の大台死守に成功すると、米国時間午後にかけて高値110.36まで反発しました(先週末金曜日の米雇用統計後に記録した高値と同値)。ローソク足(日足)が一目均衡表転換線や基準線より上側に位置している他、下位足(240分足)で強い買いシグナルが点灯(一目均衡表三役好転や200MA突破)するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております。ファンダメンタルズ的にも、力強い米雇用統計を背景に米早期(年内)テーパリング観測が再燃するなど、ドル買い・円売り材料が増えつつあります。
こうした中、本日は日本時間21時30分に予定されている米4ー6月期単位労働コストや、同23時00分のクリーブランド連銀メスター総裁講演に注目が集まります。単位労働コストが市場予想を上回る場合(インフレ懸念の高まり)や、メスター総裁よりタカ派的な発言が見られる場合には、先週同様、米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円がもう一段上値を伸ばす可能性もあるため、本日海外時間はアップサイドリスクに警戒が必要でしょう。尚、本日は5・10日で且つ本邦連休明けとなるため、日本時間9時55分に予定されている公表相場決定にかけてのドル不足(一時的なドル買い・円売り)にも注意が必要です。
本日の予想レンジ:110.00ー110.70
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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