米雇用統計に注目、レンジブレーク期待も
〇本日のドル円、動意に乏しい展開、一時ドルが若干買い進められるも寄り付きレベル109.75-80に戻る
〇本日発表の米雇用統計に注目、発表前後の市場は乱高下をたどる可能性も
〇テクニカルには約2円幅のレンジ、上放れれば111円台回復、下放れれば4月安値107円半ばがターゲット
〇本日は注目の7月雇用統計や、6月卸売売上高発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.10-110.30
<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場はレンジ取引。値幅は20ポイントにもとどかず、NY時間の米雇用統計待ちといった様相だった。
ドル/円は109.75-80円で寄り付いたものの、動意に乏しい。値幅は限られたが、東京勢は来週月曜日に掛けて3連休になることもあってか、需給はややタイト。110円にはとどかなかったものの、一時ドルは若干買い進められる局面も。16時現在では結局元のレンジ、109.75-80円へと戻り、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「新型コロナ」について。
前者は、昨日発表された週間ベースの新規失業保険申請件数はほぼ予想通りの内容。可もなく不可もなく、といったところだが、引き続き米要人からインフレなどについて強気の発言が聞かれていた。たとえば、WSJ紙は「マチカン米上院議員が、パウエルFRB議長に書簡でインフレに警戒感を示すとともに、緊急支援を撤回するよう求めた」と報じていた。いずれにしても、本日発表の米雇用統計の内容には注目だ。
対して後者は、ロイターが自社の推計として「米国のコロナ新規感染者が10万人超に、6ヵ月ぶり高水準」と報じ話題に。そうしたなか、米ホワイトハウスの新型コロナ対策調整官を務めるザイエンツ氏から、「外国人渡航者へのワクチン接種義務付けを検討している」旨の発言が取り沙汰されていた。一方、それとは別に米CNNは「米情報機関、中国武漢研究所が取り扱うウイルスサンプルなどの膨大なデータ入手」と指摘。そこここで物議を醸していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、4日にレンジの下限を割り込み108.70円台まで下落したものの、その後の急反発もあり、相場観は再びニュートラルに。やや広くとった場合、108.70-110.70円といった2円程度のレンジ相場となるが、本稿執筆時はちょうどその中間地点だ。かなり居心地が良い。度々指摘しているように、米雇用統計という注目材料が発表されることもあり、レンジブレークを期待する声もあるが、果たして抜けることは出来るのだろうか。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高い。ここ最近発表される米経済指標はマチマチながら、本日発表の米雇用統計の先行指標ともいわれる雇用データ、ADP雇用統計は予想以上に悪化していた。米雇用統計についても、一抹の不安感を抱く向きがあるようだ。ちなみに、市場でもっとも注視されている非農業部門雇用者数はプラス86万人と、前月(同85万人)並みの数字が予想されている。基本的には発表された数字に素直に反応する見込みだが、それでも発表前後の市場は乱高下をたどる可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨年来幾度となく見た光景で、レンジ下限をブレークするも再びレンジへと戻ってきた。レンジが当初より拡大し、約2円幅になったようだ。およそ1ヵ月程度推移する、そんな2円レンジがいましばらく続く公算も否定できないが、本日は重要材料を控えており予断は許さない。上方向にブレークすれば111円台を回復し、年初来高値も意識される反面、下放れれば4月安値107円半ばがターゲットとなる。
本日は米経済指標として、7月の雇用統計や6月の卸売売上高が発表される見込みだ。また、米議会与党である民主党のシューマー上院院内総務は、いわゆる「インフラ法案」に関して7日の最終採決を目指す旨のコメントを発しており、追い込みに向けたギリギリの与野党の攻防などにも要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.10-110.30円。本日東京で示現した高値109.85-90円、近くには移動平均の21日線も位置している。超えれば再び110円台回復、110.30円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、109.40円レベルが引き続き短期的なサポートか。割り込めば109円割れ、そして目先安値108.72円が意識されそうだ。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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