短期のレンジ下限下回る、続落期待の声も(7/30夕)

30日の東京市場はドルが小じっかり。ゴトー日で一時仲値不足観測なども取り沙汰されたが上値は重かった。

短期のレンジ下限下回る、続落期待の声も(7/30夕)

短期のレンジ下限下回る、続落期待の声も

〇本日のドル円、日中109.35レベルへと小幅に値を崩すも、夕方には109.60-65へと上値を伸ばす
〇昨日発表の米GDP等の経済指標、期待外れの結果に
〇短期のレンジ109.60-110.60の下限下回る、ドル続落期待の声も、109円割れをトライするか注目
〇テクニカルには、下値は7/19日安値109.06、上値は移動平均の90日線(109.60-70)を目指すか
〇本日は6月PCEデフレーター・7月シカゴ購買部協会景気指数発表の他、要人発言の予定も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.10-110.00

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場はドルが小じっかり。ゴトー日で一時仲値不足観測なども取り沙汰されたが上値は重かった。

ドル/円は109円半ばで寄り付いたのち、当初はややドル安。日中安値である109.35円レベルへと小幅に値を崩した。弱含みに推移した日米株価などが材料視されていたという。しかし、切り返すとその後は逆にドル買い優勢。ゴトー日や週末、月末が絡んだ需給要因が取り沙汰されるなか、夕方には109.60-65円へと上値を伸ばしている。16時現在では109.55-60円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米ファンダメンタルズ」と「新型コロナ」について。
前者は、28日のFOMCとパウエルFRB議長の講演で米金利の先行きについて慎重姿勢が改めて示されるなか、昨日発表された米経済指標も期待を裏切る内容となった。たとえば、4-6月期のGDP速報値は前期比年率プラス6.5%。コロナ前の水準を回復したものの、事前予想(同8.5%程度)は大きく下回っている。また雇用指標、週間ベースの新規失業保険申請件数も期待外れで、FRBなど当局にプレッシャーをかけることは出来なかった。
対して後者は、これまでも決して楽観的ということではなかったが、米国がここにきて危機感を急速に強めている感を否めない。実際、米首都ワシントンの市長が「屋内でのマスク着用義務付ける」と発表したほか、バイデン政権が全連邦政府職員にコロナワクチン接種を要請したことが明らかとなっている。一方ロイターは、「ドイツが今週末から入国者全員に対しコロナワクチン接種証明書などの提示を義務付ける方針」だと報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、過去1週間程度推移していた小さなレンジ、109.60-110.60円の下限を割り込んでおり、ドルの続落を期待する声もある。ただ、19日安値109.06円は依然として割り込めていないなど、過去1ヵ月以上にも及ぶ大きなレンジ相場は続くといった見方も根強いものがある。このままドルは続落し、109円割れをトライすることができるのかにまずは注目だ。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高い。しかし、前段で指摘したように28日に米FOMCなどで利上げへの慎重姿勢が示されたうえ、昨日発表された米経済指標もいまひとつ。「早期」という観測が後退したことは間違いなく、それが一段のドル買いに歯止めをかける可能性もある。とは言え、逆に「米利上げ後退にともない米株高が進行」といった展開となれば、為替市場では好感した動きとなっても不思議はないだろう。

テクニカルに見た場合、度々指摘しているように「ダマシ」の多いことが昨年来の特徴だが、それでもドル/円は短期のレンジを下回っており、素直に考えればリスクは下方向。19日安値109.06円を目指し、ドルは続落する公算が大きい。
それに対する上値メドは、昨日NYクローズで久しぶりに下回ってきた移動平均の90日線(109.60-70円)か。ザラ場ベースの動きもさることながら、クローズで再び上回れるか否かも注視したい。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、6月のPCEデフレーターや7月のシカゴ購買部協会景気指数などが発表されるほか、引き続き米企業の決算発表も数多い。なお、そうしたなか、かつてはハト派と目されたが、最近はタカ派発言の多いブラード・セントルイス連銀総裁の講演が予定されており、そちらを警戒する向きも多いようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.10-110.00円。ドルの上値は少しずつ切り下がっており、そうした意味では昨日高値109.94円をめぐる攻防にまず注目。ただ、110円台を回復しても上値は重そうで、とくに110.30-40円はなかなか強い抵抗になりそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京で示現した109.35円レベルが最初のサポート。底堅いイメージはいまだ残っているものの、割り込めば前回安値109.06円が視界内に。

短期のレンジ下限下回る、続落期待の声も

ドル円日足


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