ドル円軟調 FOMC後のドル売り地合いとNYダウ先物下落で
29日午前の東京市場でドル円は軟調推移。朝方109.91レベルで取引が始まったドル円は、FOMC終了後のドル軟調地合いに、米株先物の下落、実需のドル売りとみられる動きが加わり、10時過ぎにかけて109.69まで下値を拡げました。その後米株先物がやや戻したことで、買い戻しも入り、東京時間正午現在は109.80レベルで取引されています。
日経平均株価は上昇。未明のパウエル議長記者会見で、議長がハト派姿勢意を崩さなかったことで米長期金利が低下、米市場でハイテク関連銘柄が上昇した流れを受け、本邦でも半導体銘柄等を中心に買いが入り、145円高で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、未明に公表されたFOMCの声明文で米国経済がFRBの目標に向けて前進したと明記され、今後のFOMCにおいて進展度合いの精査を続けるとの文言が加わったことが、年内テーパリングの可能性を示唆したものと受け止められ、声明文公表後ドル円は一時110.28まで急伸しました。しかし、パウエル議長の記者会見では利上げの検討は視野にないと述べ、また、現在のインフレ高進は供給サイドが原因の一時的現象との従来の見方を踏襲、コロナ感染のリスク要因への懸念や、テーパリング開始にはより大きな経済の進展が必要との見方も改めて示したことがハト派的と受け止められ、109円台に反落し109.90近辺で東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は引き続き90日線(本日109.67レベルを上昇中)と21日線(同110.27レベルを下降中)の間でのもみあいが継続、FOMC前後の乱高下もこの範囲内での動きに収まっています。本日午前中の下値攻めも109.69までと90日線を意識しての動きとなっていますが、90日線をしっかり下回ってきて、更に一目均衡表の「雲」下限(109.30)を下抜けるような場合には地合いが変化する可能性があり注意が必要です。
FOMCを通過してもドル円に方向感は出ませんでしたが、経済の進展が確認されテーパリングに一歩近づいたことは間違いなさそうで、市場の反応とは裏腹に潜在的にはドル買い圧力がやや強まったのではないかと思われます。FRBはこれから年末にかけての経済動向を一層入念にチェックしていく方針と見られ、今後為替市場は本日発表の2QGDP等の米重要指標の結果に、より神経質に反応していくことになりそうです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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