トレンド一変、ドルの買戻しにも一応注意(7/26夕)

週明け26日の東京市場はドルが小安い。当初は底堅い値動きだったが、底割れしたあとは110円台前半で低迷している。

トレンド一変、ドルの買戻しにも一応注意(7/26夕)

トレンド一変、ドルの買戻しにも一応注意

〇ドル円、当初は110.45-60レンジで底堅い動きをたどるも、夕方110.20-25円まで値を崩す
〇時間外取引のNYダウ先物下落に影響されたか
〇本日欧米市場は基本的に様子見か、週央以降に米FOMCなどの注目材料が連続
〇テクニカルには21日線に上値を抑制され軟落した形、そろそろ上下どちらかに抜ける可能性も
〇今晩は6月新築住宅販売件数・7月ダラス連銀製造業活動指数発表、テスラ等米企業決算も注視される
〇欧米時間のドル円予想レンジ109.70-110.60

<< 東京市場の動き >>

週明け26日の東京市場はドルが小安い。当初は底堅い値動きだったが、底割れしたあとは110円台前半で低迷している。

先週末は、開催されたG20気候相会会合において、石炭火力廃止などで合意できず。また共同声明発表も終了から2日後になるなど、米欧と中国などとのあいだの対立が改めて明らかとなった。また、米中はそれ以外にも対立構造が幾つか示され、一部で話題に。
そうした状況下、ドル/円は110円半ばで寄り付いたのち、しばらくはレンジ取引。110.45-60円といったなかで底堅い動きをたどるも、底割れすると、夕方には日中安値である110.20-25円まで値を崩している。150ドル余りも下落した、時間外で取引されているNYダウ先物などの動きに一喜一憂していたようだ。16時現在では110.25-30円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中対立構造」と「新型コロナ」について。
前者は、先で指摘した週末の米中対立構造がそこここで観測されていた。たとえば、中国外務省が6月に成立させた「反外国制裁法」に基づく措置として、ロス前米商務長官らに報復制裁を発表。それに対して、米国はサキ報道官から「制裁は孤立につながる」などと警告が発せられていた。また、26日に中国の王外相と会談するシャーマン国務副長官に対し、王氏自身が「他国と平等な態度で付き合うことを知らないなら、国際社会とともに教える責任がある」などと、かなりの上から目線でコメントを発していたもよう。
対して後者は、依然として予断を許さない状況ながら、週末から本日に掛けてはやや明るいニュースが目に付く。2つのほど例を挙げると、南アフリカはラマポーザ大統領が、感染第3波がピークを越えた可能性があるとの見方を示したうえで、感染拡大を抑えるための行動制限の一部を解除することを明らかに。また豪州も、南オーストラリア州の首相が「ロックダウンを28日に終了する方向」の考えを示し話題となっていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

為替市場は通貨ペアによって値動きマチマチとなっており、なかなか複雑怪奇。そうしたなか、足もとのドル/円はやや円高にバイアスをかけた展開となっているが、継続性に疑問を抱く声も少なくない。何故なら、先週末にかけた数日間は、東京時間に円高あるいは横這い推移をたどるも、欧米時間はトレンドが逆転。ドル高方向に向けた動きとなることが多かったためで、本日も下値をあまり追いかけて売りたくないとの指摘も聞かれている。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高く、本日もこのあと発表される米経済指標などには要注意。ただ、週央以降に米FOMCなどの注目材料が連続することもあり、本日に限れば基本は様子見か。動きにくそうな雰囲気もある。ただ、やや不安定な動きとなっている米株ならびに、月末をにらんだ広義の需給要因が波乱要因として警戒されている感も否めない。

テクニカルに見た場合、本日東京時間のドル/円は移動平均21日線に上値を抑制され、軟落した格好。このあとも21日線が抵抗として寄与する可能性もある。それに対し、ドルの下値を90日線が支えるという状況だが、先日までの1円程度から現在は70-80銭へとレンジがジリジリと狭まってきた。そろそろ上下どちらかに抜けていく展開をたどっても不思議はなさそうだ。次の動意に向けた準備だけは怠らないようにしたい。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、6月の新築住宅販売件数や7月のダラス連銀製造業活動指数などが発表されるほか、イラク大統領とバイデン氏の会談も実施される見込みだ。また、米企業決算も引き続き注視されており、なかでもテスラへの関心が高いもよう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.70-110.60円。先週末高値の110.59円がなかなか強い抵抗か。その手前には移動平均の21日線も位置している。
対するドル安・円高方向は、時間足などで見た110円前後が最初のサポート。割り込んでも109円台にサポートは数多く、依然としてかなり底堅いイメージだ。

トレンド一変、ドルの買戻しにも一応注意

ドル円日足


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