ドル円、レンジ予想だが東京休場ジンクスにも要注意
〇ドル円、日中110.10-30レンジで動意薄
〇昨晩のECB理事会インフレ目標のフォワードガイダンスに変更あり、一部で注目も
〇ドル円今週ザラ場でレンジ下抜けるも戻し、未だ方向感出ず
〇東京休場時円高に振れやすいとのジンクスあり
〇テクニカルには21日線、90日線に挟まれてのレンジ相場
〇今晩は米7月PMI要注視、オリンピック開幕の影響もあるか
〇欧米時間のドル円予想レンジ109.90-110.80
<< 東京市場の動き >>
23日の東京市場は引き続きレンジ取引。東京休場のなか参加者も少なく110円台、20ポイント強の動きにとどまった。
ドル/円は110.15円前後で寄り付いたものの、全般的に動意は乏しい。110.10-30円といった20ポイント強の動意となったが、それでも終盤に掛けてはややドル買いが優勢。16時現在では日中高値圏の110.25-30円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、ドル/円以外の通貨ペアも総じて売買の手控えが目立ったが、そのなかNZドルはやや強含みに推移。対円やドルで週間の高値をうかがう局面も散見されていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「ECB金融政策」について。
前者は、読売新聞など一部メディアが「中国、副首相以上の五輪開会式派遣を見送る見通し」と指摘し話題に。ちなみに、朝日新聞は理由として「台湾問題などで対中攻勢を強める日本への反発が広がったことから判断した」とも報じていた。そうしたなか、WHOによる「コロナウイルス発生源の追加調査」を中国サイドが拒否。それに対し、米報道官が「中国は義務を果たしていない」と指摘したうえで、「無責任な姿勢であり、率直に言って危険だ」と強く批判していたという。
対して後者は、22日の理事会でECBが先行きの政策指針である「フォワードガイダンス」を変更したとして一部で思惑を呼ぶ。インフレ率の目標を当初の「2%弱」から「2%」に改め、物価の一時的な上振れを容認していた。ただ、そののちラガルド総裁は会見で、「圧倒的多数で決定したものの、全会一致ではなかった」と指摘。委員によって考え方の齟齬があったことを認めている。
<< 欧米市場の見通し >>
先週、週間を通して1円レンジにとどまったドル/円は、今週ザラ場ベースでレンジ下限を割り込むも結果として失敗。元のレンジへと回帰しており、いまだ方向性はハッキリしない状況だ。「東京休場時は動きやすい」それも「円高に振れやすい」などというジンクスもあり油断は禁物だが、基本的には110円台前半を中心とした一進一退、次のトレンドを探る動きが続く可能性を否定できない。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高く、本日もこのあと発表される米経済指標などには一応要注意。また、米企業の決算に対する注目度も高く、こちらは米株の動きなどと合わせて、その動静が注視されている。一方、それとは別に本日も欧州情勢、延いてはユーロやポンドなどの動きを注視している参加者も少なくないようだ。今週はポンドが週間を通し、やや荒っぽい変動をたどっているだけに、最後まで予断を許さない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き110円挟みのレンジ取引。移動平均では21日線がドルの上値を抑制する反面、下値を90日線が支えるという状況だが、レンジがジリジリと狭まってきているだけに、来週にかけての保ち合い放れも注視され始めた。仮に、どちらかにブレークすれば、そのまま値の飛ぶ展開も否定できない。ただ、本日と言うことであれば基本的にはレンジ相場の継続もありそうだ。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月の製造業PMIなどが発表されるほか、アメックスなどの決算発表も実施される見込みで、それらは一応要注意。また、1年延期された東京オリンピックがいよいよ開幕することから、その波及的影響などにも注目だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.90-110.80円。時間足など短期ベースで少なくとも2度は上げ止まっている110.35-40円が最初の抵抗。抜ければ、直近高値110.69円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、110円前後で底堅さがうかがえ、短期的なサポートとして育ちつつある感を否めない。割り込んでも109円台にサポートは数多く、かなり底堅いイメージだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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