ドル円、新規材料に乏しい中、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開(7/23朝)

22日(木)のドル円相場は狭いレンジ内で膠着。

ドル円、新規材料に乏しい中、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開(7/23朝)

ドル円、新規材料に乏しい中、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開

〇ドル円、新規材料難に110円台前半の狭いレンジで膠着
〇ユーロ、米長期金利急低下、米指標不冴えに1.1831まで急伸後ECBの緩和策長期化観測に1.1758に戻す
〇ECB理事会、物価の一時上振れ容認姿勢明確化、ラガルド総裁はテーパリング絶対的に時期尚早と発言
〇新味には欠ける内容で、ユーロドルの反応は限られる
〇ドル円方向感に欠けるが、110.00がサポート、下方向にテクニカルポイントも多く地合いは強い
〇本日欧米PMIに要注目、市場が悪化を予想する中ポジティブサプライズに注意
〇引き続きドル円続伸をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:109.80ー110.60

海外時間のレビュー

22日(木)のドル円相場は狭いレンジ内で膠着。欧州時間朝方にかけて、高値110.36まで上値を伸ばすも、前日記録した高値110.39をバックに伸び悩むと、@欧米株の軟調推移を背景としたリスク回避の円買い圧力や、A米長期金利の急低下を背景としたドル売り圧力(米10年債利回りは1.31%から1.23%へ急低下)、B米新規失業保険申請件数の大幅悪化(結果41.9万件、予想35.0万件)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値110.01まで反落しました。もっとも、心理的節目110.00をバックに下げ渋ると、ショートカバー主導で反発に転じ、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では110.20近辺まで持ち直す動きとなっております。

22日(木)のユーロドル相場は上昇後に急反落。@米長期金利の急低下を背景としたドル売り圧力(米10年債利回りは1.31%から1.23%へ急低下)や、AECB理事会やラガルド総裁記者会見がサプライズなく終わったことに伴う材料出尽くし感(※)、B米新規失業保険申請件数の大幅悪化が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1831まで急伸しました。しかし、21日移動平均線に続伸を阻まれると、C欧州圏における新型コロナウイルスの感染再拡大懸念や、Dユーロ圏7月消費者信頼感指数(結果▲4.4、予想▲2.6)の冴えない結果(欧州経済の先行き不透明感)、EECBによる金融緩和の長期化観測が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1758まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では1.1770前後で推移しております。

※昨日発表されたECB理事会では、「フォワードガイダンス」の変更を通じて、物価の一時的な上振れを容認する姿勢が明確化されると共に、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)についても、現行の1兆8500億ユーロを少なくとも2022年3月末まで継続する方向性が示されました。また、ラガルドECB総裁はその後の記者会見で、「フォワードガイダンスの修正は圧倒的多数で決定したものの、全会一致ではなかった」と発言しつつも、「PEPPの終了議論は絶対的に時期尚早」「インフレ圧力は一時的」といった慎重姿勢を強調しました。新規材料に乏しかったことから、直後のユーロドルは買戻しで反応するも、一巡後は再び売り戻されるなど、神経質な動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は約1週間ぶり高値圏で方向感に欠ける値動きとなりました(週初に記録した約2ヵ月ぶり安値109.07から僅か2日間で1円32銭の急伸劇を演じた為、昨日はひとまず小休止)。但し、下落局面で心理的節目110.00がサポートとして機能したこと、ダウンサイドに一目均衡表転換線や雲上限が位置していること、4時間足の三役好転入り(強い買いシグナル点灯)が目前に迫っていることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(下値は堅い)と判断できます。

こうした中、本日は欧州圏のPMI速報値や、米国のPMI速報値に注目が集まります。足元では新型コロナウイルスの感染拡大懸念を背景に、下方リスク(市場予想を下回るリスク)が市場参加者の大方の予想として意識されている為、逆に市場予想を上回る結果となった際のポジティブサプライズに警戒が必要でしょう(指標発表後にリスク選好の動きが再開する展開を想定)。当方では来週の米FOMCに向けて米長期金利上昇→米ドル高の経路が強まると予想している他、新型コロナウイルスに係る過度な悲観論も早番後退する可能性が高いと見ていることから、引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(週末のポジション調整も相俟ってドル円がもう一段上昇する展開を想定)。

本日の予想レンジ:109.80ー110.60

ドル円、新規材料に乏しい中、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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