ドル円、米長期金利低下とリスクオフ再燃の組合せで約2ヵ月ぶり安値圏へ急落
〇ドル円米国時間にかけ約2ヵ月ぶり安値109.07まで急落後109円台半ばに戻す
〇コロナ感染再拡大により欧米株急落、リスク回避の円買いと米長期金利低下によるドル売りが下落の背景
〇ユーロドル欧米株・原油先物下落で1.1764まで下落後米長期金利低下のドル売りで1.18台を回復
〇ドル円、90日線、一目均衡表「雲」を一時下抜けるも上昇トレンドは継続、一時的な押し目か
〇米長期金利の一段の下げがない限りはドル円の下値余地は限定的か
〇本日の予想レンジ:109.00ー110.00
海外時間のレビュー
週明け19日(月)のドル円相場は急落。@新型コロナウイルスの感染再拡大懸念や、A上記@を背景とした世界経済の先行き不透明感、B欧米株の急落を受けたリスク回避の円買い圧力(米ダウ平均株価は一時前営業日比945ドル超の急落)、C米長期金利の急低下(米10年債利回りは1.20%の大台を割り込み、2/12以来となる1.17%へ急低下)、D米7月NAHB住宅市場指数の予想比悪化(結果80、予想82、前回81)、E主要テクニカルポイント(90日移動平均線や一目均衡表雲上下限)を下回ったことに伴う短期筋のロスカットが重石となり、米国時間にかけて、5/27以来、約2ヵ月ぶり安値となる109.07まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると(短時間で大きく下げた反動で持ち直すと)、引けにかけて値を戻し、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では109.47近辺で推移しております。
週明け19日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。@欧州圏における新型コロナウイルスの感染再拡大懸念や、A欧州経済の先行き不透明感、B欧州株や原油先物価格の急落を受けたリスク回避のドル買い圧力(ドイツ・ベルギーを襲った豪雨・洪水の影響も重なり欧州株が急落)、CECBによる金融緩和の長期化観測が重石となり、米国時間にかけて、4/5以来、約3ヶ月半ぶり安値となる1.1764まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、D米長期金利低下を背景としたドル売り圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では1.1800近辺まで持ち直す動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は一時109.07まで急落し、約2ヵ月ぶり安値圏へと値を崩しました。@サポートポイントとして注目されていた90日移動平均線や一目均衡表雲上下限を下抜けしたこと、A米長期金利低下を背景に対主要通貨でドル売り圧力が広がったこと、B欧米株や原油先物価格の急落を背景にリスク回避の円買い圧力が強まったことなどが、ドル円急落の背景と考えられます。但し、結果として日足ベースでやや長めの下髭を残す足形となったこと、ダウ理論で上昇トレンドが継続していること(4/23に記録した安値107.47を下回らない限り中長期上昇トレンド継続)などを踏まえると、足元の調整は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目と判断できます。
こうした中、本日は米6月住宅着工件数や、米6月建設許可件数などの米経済指標に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、ドル売り圧力が一段落し、ショートカバー主導で一気に持ち直す可能性もある為、本日はやや反発リスクに注意が必要でしょう(※株式市場や商品市況が崩れる場合は、リスク回避の円買いへの連想からドル円が一時的に押し下げられる可能性があるものの、リスク回避局面では円買い同様、資産現金化需要のドル買いも強まる傾向にあることから、売り一巡後は昨日のように円買い<ドル買いの力関係でドル円が持ち直す展開を想定。従って、米長期金利がもう一段下げない限り、ドル円の下値余地は限定的と判断)。
本日の予想レンジ:109.00ー110.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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