新規材料乏しく、基本はレンジ継続か(7/19夕)

19日の東京市場はドルが小安い。日米株価などをにらみつつ、110円台を維持できず、わずかながら割り込んでの推移となっている。

新規材料乏しく、基本はレンジ継続か(7/19夕)

新規材料乏しく、基本はレンジ継続か

〇ドル円、110円台を維持できずわずかに割り込んでの推移、終日上値は重くドルが小安い展開
〇本日もレンジ取引、連休を前にしばらく大きな値動きはないとの予想も
〇英国では保健相の新型コロナ感染が発覚する中で「行動制限解除」実施、英ポンドの値動きにも注意
〇本日は7月NAHB住宅市場指数が発表予定、他の新規材料は乏しい
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.40

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場はドルが小安い。日米株価などをにらみつつ、110円台を維持できず、わずかながら割り込んでの推移となっている。

先週末、英保健相のコロナ感染が明らかになるなど、世界的な感染拡大はいまだ予断許さず。一方、バイデン米政権は香港での事業リスクに警戒呼びかける「勧告」を出したが、これが中国の逆鱗に触れる結果に。今後の火種となっていた。
そうした状況下、ドル/円は110.00-05円で寄り付いたのち、110.10円レベルの日中高値を付けるもドル高はそこまで。以降、弱含みに推移した時間外で取引されているNYダウ先物の動きなどをにらみつつ、リスク回避のドル売り・円買いが優勢に。大崩れこそ免れたが110円以下のレベルでほぼ推移するなど、終日上値は重かった。16時現在では110.00-05円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米中対立」について。
前者は、「19日の行動制限解除」を打ち出している英国で、前述したように保健相のコロナ感染が発覚。またジョンソン首相も濃厚接触者と判定され、隔離されることが明らかとなった。そうしたなか、米国でもコロナ感染の拡大が観測されており、実際に米CDC所長は「未接種者間でコロナが大流行」と発言。また、日経新聞によると「米国での16日の新規感染者数は7万9000人を超え、4月半ば以来の高水準」に達していたという。なお、今週末から東京オリンピックが開幕するが、いわゆる「選手村」のなかでコロナの感染者が出たことが明らかになるなど前途多難な状況だ。
対して後者は、先で取り上げたように、バイデン米政権は香港での事業リスクに警戒呼びかける「勧告」を出したが、これに中国サイドが猛反論。当事者である香港政府が「金融センターは揺るがない」と指摘したほか、中国政府も「米側の指摘はすべてデタラメ」と述べたうえで、香港への統制強化によってビジネス環境は一段と良好になったと主張していた。対立の深化などを含め、今後の続報にも要注意。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は先週1週間を通してほぼ1円レンジ。明確な方向性が乏しい状況だが、その流れを継ぐ格好で、本日東京もレンジ取引をたどっている。依然としてトレンドはハッキリしない。次なる動意を期待する声は当然あるものの、東京が22日から4連休、ロングウィークエンドになることで、週間を通して積極的な売買に手を出しにくく、大きな値動きはしばらく予想出来ないなどとする声も聞かれていた。
市場の関心は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向。そうした意味では本日も発表される米経済指標やNYダウを中心とした米株の実勢相場にも注意を払いたい。ただ、材料面などを加味すると、本日市場の主役となりかねないのは、むしろ英ポンドか。新型コロナに関していえば、保健相の感染が発覚するような環境下、「行動制限解除」が実施される見込みだけにしばらくのあいだ状況をしっかりと見極めたい。また、一部英紙が「英財務相、次年度予算案の発表を来年に先送りする可能性を検討」などと報じており、審議を含めて続報は要注意だ。

テクニカルに見た場合、先週のドル/円はザックリ109.70-110.70円という値動きにとどまっており、本日東京もそのなかにとどまっている。まずは、110円挟みという足もとのレンジを如何に放れるのか、タイミングと方向性にまずは注目だ。
なお、先週末にもレポートしたように、視点を変えるとドルの上値は移動平均の21日線が抑制する反面、下値は同90日線がしっかりと支えているように見える。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月のNAHB住宅市場指数が発表されるものの、決まっている材料はそのぐらい。やや新規要因に乏しい印象だ。ただ、英国に関して気になる要因が幾つか観測され、前述したイングランドの「行動制限解除」もそのひとつ。状況次第で相場の主役となりかねないかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.40円。先週末のドル高値110.34円が最初の抵抗。抜けても、110円半ばあるいは110.69円などで上値も重い展開か。
対するドル安・円高方向は、先週末にかけ時間足など短期的には少なくとも2度下げ止まっている109.70-75円が最初のサポート。下回ると109円半ばが意識されそうだ。

新規材料乏しく、基本はレンジ継続か

ドル円日足


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