週間レンジは約1円、小動き続く公算も(7/16夕)

16日の東京市場はドルが小じっかり。前日割り込んできた110円台を一時回復する局面も見られたが上値は重く、続かなかった。

週間レンジは約1円、小動き続く公算も(7/16夕)

週間レンジは約1円、小動き続く公算も

〇ドル円、一時110円台を回復、上値が重く続かなかったが、ドルが小じっかりの展開
〇今週のドル円相場は週間レンジが約1円、明確な方向性はうかがえず
〇上値を21日線、下値は90日線が支える、どちらをブレークするのかの攻防が注視される
〇本日は、6月小売売上高・7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値などの米経済指標発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.50-110.50

<< 東京市場の動き >>

16日の東京市場はドルが小じっかり。前日割り込んできた110円台を一時回復する局面も見られたが上値は重く、続かなかった。

ドル/円は109.80円前後で寄り付いたのち、当初は揉み合い。109.75-85円といった横這いに近い値動きだったが、上抜けすると、そのまま110円を超え日中高値である110.05-10円まで達している。ただ、110円台では戻り売りオーダーなども厚く上げ渋ると、その後は高保ち合いに。16時現在では110円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国を中心とした幾つかの国際情勢」と「日銀の金融政策」について。
前者は、16日にオンラインで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の非公式首脳会議に、米中首脳がそれぞれ出席することが明らかとなった。本日欧米時間の波乱要因にも。そうしたなか、米独首脳が会談を行い、強権的な政権運営を進める中国やロシアを念頭に、関係修復をアピールする発言などが観測されている。また、米国務副長官が18日から日韓など歴訪することが判明したが、一部で取り沙汰されていた中国訪問は見送られる方針のようだ。
対して後者は、日銀が金融政策決定会合を開き、その結果として「短期金利のマイナス0.1維持」などを決定・発表している。また、金融機関による気候変動対策の投融資を後押しする新制度の骨子案をまとめると、気候変動対策につながる投融資をした金融機関に年利0%で資金を供給する旨を明らかにした。なお、そののち黒田総裁が会見を行い、「景気は基調として持ち直している」、「物価見通しは下振れリスクの方が大きい」、「必要あれば躊躇なく追加緩和措置に動く」といった発言が観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日東京市場の終盤に観測されたレンジ下放れの動きは、やはりダマシに。結局109円半ばを割り込んでいくことは出来なかった。それを受けた今週のドル/円相場はというと、週間レンジがここまでわずか98銭。つまり、約1円の変動にとどまっている。直近でも6月第1週など、週間レンジが1円以下ということも実は珍しくないのだが、それでも来週に繋がる動意をたどれるのか否かに注目だ。
市場の関心は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向。ただ、14-15日に実施されたパウエルFRB議長の議会証言は、市場に台頭していたやや過熱気味の早期テーパリング観測を打ち消すもので、為替市場においてもドルの一段高に歯止めをかけていた感を否めない。本日も発表される米経済指標などが注視されるなか、最高値圏での推移をたどるNYダウなどが崩れればドル安も進行するといった見方が取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円は109.50-111.70円という大レンジを形成しているだけでなく、前述したように今週だけと考えてもわずか1円レンジの動き。明確な方向性はうかがえない状況だ。
なお、今週の1円レンジについて視点を変えてみると、移動平均では上値を21日線が抑制する反面、下値は同90日線がしっかりと支えているように見える。果たして、どちらをブレークするのか、その攻防がまずは注視されている。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、6月の小売売上高や7月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が発表される予定。パウエル氏は慎重姿勢をみせているが、当局にプレッシャーをかけるような好数字が続くか否か注目だ。また、イエレン米財務長官とパウエルFRB議長が参加するといわれる金融安定監視評議会、APEC会合などにも要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.50-110.50円。今週ドルの上値を阻んできた移動平均の21日線が位置する110円半ばはなかなか強い抵抗。抜けても、110.69円などで上値も重い展開か。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期的には少なくとも2度下げ止まっている109.70-75円が最初のサポート。下回ると109円半ばを目指す。

週間レンジは約1円、小動き続く公算も

ドル円日足


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