ドル円、インフレ懸念再燃で急上昇。本日はパウエル議長の議会証言に注目
〇ドル円米CPIの強い結果を受けて110.64まで上昇、小反落するも持ち直し高値圏での取引
〇ユーロドルアジア時間に1.1875まで上昇後、CPIの結果を受け3か月ぶり安値1.1773まで急落
〇ドル円、昨晩の上昇で基準線、転換線上抜け地合い強い
〇本日はパウエルFRB議長の議会証言要注視、アップサイドリスク要警戒か
〇本日の予想レンジ:110.10ー111.10
海外時間のレビュー
13日(火)のドル円相場は急上昇。米国時間朝方にかけて一時110.20まで下げ幅を広げるも、@注目された米6月消費者物価指数(結果5.4%、予想4.9%、※前年同月比)及び、A同コア指数(結果4.5%、予想4.0%、※前年同月比)が市場予想を大幅に上回る結果を示すと、B上記@Aを背景とした米インフレ懸念の再燃(米テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高)や、C米30年債入札の不調な結果、Dサンフランシスコ連銀デイリー総裁によるタカ派的な発言(テーパリングについて議論するのは適切。年末乃至は年明け早々のテーパリングに向けて状況が整う)などが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値110.64(7/8以来)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時30分現在)では110.62近辺で推移しております。
13日(火)のユーロドル相場は急反落。アジア時間に一時1.1875まで上値を伸ばすも、前日高値1.1881(7/12)や、先週末金曜日高値1.1882(7/9)をバックに伸び悩むと、@米インフレ懸念再燃を受けた米早期テーパリング観測の台頭(米6月消費者物価指数が市場予想を大幅に上回る結果となったことが背景)や、A米30年債入札の不調な結果、B上記@Aを背景とした米長期金利の急上昇、Cポルトガル中銀センテノ総裁によるハト派的な発言(ECBは景気刺激策の解除にかなりの注意が必要)、D欧州圏における新型コロナウイルス変異株の感染拡大懸念(欧州経済の先行き不透明感)などが重石となり、米国時間午後にかけて、4/5以来、約3ヵ月ぶり安値となる1.1773まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時30分現在)では1.1778近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時110.64まで続伸し、7/8以来の高値圏へと浮上しました。この間、一目均衡表基準線や転換線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転の再点灯や、移動平均線のパーフェクトオーダーなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となっております(7/2に記録した高値111.67と7/8に記録した安値109.53のフィボナッチ50%戻し110.60も達成済み)。
こうした中、本日は日本時間1時00分に予定されているパウエルFRB議長による半期に一度の議会証言(下院金融委員会)に注目が集まります。議会証言は7/14ー7/15の2日間で開催されますが(2日目は上院銀行委員会)、証言内容は1日目・2日目共似通ったものとなる傾向にあることから、市場の関心は今晩予定されている1日目の議会証言に集まります。昨日の米CPIの急上昇を受けて、パウエルFRB議長よりタカ派的なスタンスが見られれば(景気回復に対する強気の姿勢や、高インフレへの警戒感が示されれば)、米年内テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円が7/2以降の下げ幅(111.67→109.53)を埋める全値戻しに向けて上伸する可能性もある為、本日も引き続き、アップサイドリスクに注意が必要でしょう。尚、本日はパウエルFRB議長の議会証言以外に、米6月生産者物価指数や、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁発言、米地区連銀経済報告(ベージュブック)などにも注目が集まりそうです(アジア時間帯は海外時間の重要イベントを控え様子見ムードが強まる可能性あり)。
本日の予想レンジ:110.10ー111.10
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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