ドル円、米長期金利の上昇を背景に堅調な展開。本日は米CPIがメインイベント
〇ドル円110円台前半、110円をバックに下げ渋り、一時110.41まで上昇
〇原油価格下落による資源国通貨安、米長期金利の上昇等が背景
〇ユーロドル欧州早朝1.1880まで上昇するも、ECB副総裁のハト派発言等で1.1836まで下落
〇ドル円テクニカルの地合い強く、先週の下落は一時的なポジション調整と整理
〇本日夜発表の米6月CPIに注目、アップサイドリスク要警戒
〇FRB当局者の発言も多く米金融政策巡る思惑主導で値動き荒くなるか
〇本日の予想レンジ:109.90ー110.90
海外時間のレビュー
週明け12日(月)のドル円相場は堅調な展開。欧州時間朝方に一時109.99まで下げ幅を広げるも、心理的節目110.00をバックに下げ渋ると(押し目買いが強まると)、@原油先物価格の下落を背景とした対資源国通貨でのドル買い圧力や、A翌日以降の重要イベントを控えたポジション調整(7/13の米6月消費者物価指数や、7/14ー7/15のパウエルFRB議長議会証言など)、B米長期金利の上昇を背景としたドル高圧力(米10年債利回りは先週7/8に記録した1.25%から1.37%へ急上昇)、C米主要株価指数の上昇を受けたリスク選好の円売り圧力(米主要3指数が揃って史上最高値を更新)が支援材料となり、米国時間にかけて、一時110.41まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時30分現在)では110.35近辺で推移しております。
週明け12日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて一時1.1880まで上値を伸ばすも、先週金曜日(7/9)に記録した高値1.1882をバックに伸び悩むと、@原油先物価格の下落を背景とした対ユーロや対資源国通貨でのドル買い圧力や、AデギンドスECB副総裁によるハト派的な発言(インフレ見通しは上向きだが、新型コロナウイルス変異株の感染が広がっているため、ECBは景気支援を継続しなければならない)、B米長期金利の上昇を背景としたドル高圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1836まで下落しました。その後は、C米主要株価指数の上昇を背景に持ち直し(リスク選好のドル売り・円売り)、本稿執筆時点(日本時間午前5時30分現在)では1.1860近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は7/8に記録した安値109.53をボトムに反発に転じると、昨日は一時110.41まで上昇しました。先週の下落局面において、90日移動平均線や一目均衡表雲上限に確りサポートされたこと、強い買いシグナルを示唆する三役好転が再点灯したこと、ダウ理論(週足ベース)で見た上昇トレンドが継続していること(4/19安値107.47を割り込まない限り上昇トレンド継続)などを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(先週の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的なポジション調整と整理)。
こうした中、本日は日本時間21時30分に発表される米6月消費者物価指数(CPI)に注目が集まります。市場予想はヘッドラインが前月比0.5%、コア指数が前月比0.4%となっていますが、仮に市場予想を上回る伸びが示されれば、米インフレ懸念再燃→米年内テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円が先週の下げ幅を埋める(全値戻し)展開も想定されることから、本日はアップサイドリスクに注意が必要と考えられます。
また、CPI以外にも日本時間1時00分に予定されているアトランタ連銀ボスティック総裁発言や、同3時30分のミネアポリス連銀カシュカリ総裁発言、同3時50分のボストン連銀ローゼングレン総裁発言など、今週土曜日(7/17)から始まるブラックアウト期間入りを前に米当局者発言が相次ぐことから、本日の外国為替市場は米金融政策を巡る思惑主導で値動きが荒くなる展開に注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:109.90ー110.90
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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