ドル円、米雇用統計後のドル売りの流れが継続し、3営業日ぶり安値圏へと下落
〇ドル円米早期テーパリング期待の後退と中国PMI低下で米国時間朝方110.81まで下落
〇その後は米独立記念日の休場で動意薄
〇ユーロドル1.18台後半で堅調推移するがコロナ拡大懸念、ECB関係者ハト派発言で上値抑えられる
〇ドル円下方向にテクニカルポイント多く、買いシグナルも継続地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米の金融政策の期待の相違や米景気回復期待でドル上昇材料定着
〇ドル円の売り一巡後の反発を予想、本日の予想レンジ:110.70ー111.40
海外時間のレビュー
週明け5日(月)のドル円相場は上値の重い展開。@先週末金曜日に発表された米6月雇用統計が期待されたほど強い結果ではなかったこと(非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回りつつも、失業率が悪化したこと)や、A上記@を背景とした米早期テーパリング観測の後退(米長期金利低下→ドル売り)、B中国の6月財新サービス業PMIの急低下(リスク回避の円買い)が重石となり、米国時間朝方にかけて、6/30以来、3営業日ぶり安値となる110.81まで下落しました。もっとも、その後は、米市場休場(独立記念日)で動意薄の展開となり、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では110.97近辺での横ばい推移が続いております。
週明け5日(月)のユーロドル相場は底堅い展開。@米早期テーパリング観測の後退を背景としたドル売り圧力(米長期金低下→ドル売り)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、一時1.1881まで上昇しました。しかし、A欧州圏における新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の感染拡大懸念や、BデギンドスECB副総裁による「ユーロ圏のインフレ上昇は一時的」との発言が重石となると、米国勢参入後に一時1.1855まで反落する場面も見られました。もっとも、その後は、米市場休場(独立記念日)で動意薄の展開となり、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では1.1863近辺での横ばい推移が続いております。
本日の見通し
ドル円は先週末金曜日に記録した約1年3ヵ月ぶり高値111.67をトップに反落に転じると、昨日は一時110.81まで下落しました。しかし、@ダウンサイドに一目均衡表基準線や21日移動平均線といった主要テクニカルポイントを複数控えていること、A強い買いシグナルを示唆する三役好転が継続していること、Bダウ理論の上昇トレンド(高値と安値の同時切り上げ)が完成していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(足元の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な調整)。ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策格差を背景としたドル買い・円売り圧力(※)や、米経済の回復期待(米主要株価指数は堅調推移)など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が定着しつつあります(※先週末金曜日に発表された米雇用統計についても、数字的に見れば決して悪い結果ではなく、単に米3連休を控えたポジション調整の材料に仕立てられたに過ぎないと考えられます→下値余地は限定的)。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(売り入り一巡後の反発を想定)。尚、本日は日本時間23時00分に発表される米6月ISM非製造業景況指数に注目が集まります。市場予想を上回る結果となった場合には、米早期テーパリング観測の再燃を通じてドル円が反発に転じる可能性もあり、注意が必要でしょう(但し、明日7/7に今週のメインイベントであるFOMC議事要旨を控えているため、海外時間帯は様子見ムードが強まり易く、値幅は限られると予想)。
本日の予想レンジ:110.70ー111.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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