ドル円、良好な米経済指標と月末フローを材料に直近高値圏まで一気に上昇
〇ドル円110円台半ばから急反発、米指標好調、月末ロンドンフィキシングのドル買いが背景
〇米株の好調、ダラス連銀総裁のタカ派発言も加わりNY時間に111.12まで上昇8/24高値に並ぶ
〇ユーロドル欧州地区の変異株感染拡大とドル買い圧力に約3か月ぶりに1.1845まで下落
〇ドル円1年3ヶ月ぶり高値に並びテクニカルにはさらなる上昇意識させる形状に
〇ファンダメンタルズも住宅価格指数が軒並み10-20年ぶりの伸び率を示しインフレ懸念強まる
〇ドル円相場上昇がメインシナリオ、本日の予想レンジ:110.80ー111.60
海外時間のレビュー
30日(水)のドル円相場は下落後に急反発。欧州時間朝方に一時110.43まで下げ幅を広げるも、前日安値110.43と同水準で下げ渋ると、@米6月ADP雇用統計の力強い結果や、A上記@を背景とした7/2に発表される米6月雇用統計への期待感の高まり(米早期テーパリング観測再燃の思惑)、B米5月住宅販売保留指数の良好な結果、C月末ロンドンフィキシングにかけてのドル買い圧力、D堅調な米主要株価指数を背景としたリスク選好の円売り圧力、Eダラス連銀カプラン総裁によるタカ派的な発言(FRBは年末まで待たず早めにテーパリングすることが望ましい)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値111.12(6/24に記録した直近高値と同水準)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では111.10近辺で推移しております。
30日(水)のユーロドル相場は上値の重い展開。@欧州と米国の金融政策格差を背景としたユーロ売り・ドル買い圧力や、A欧州圏における新型コロナウイルス変異種(デルタ株)の感染拡大懸念(フランス政府は南西部ランド地方の制限措置を7/6まで延期することを決定)、B良好な米経済指標を背景としたドル買い圧力、C月末ロンドンフィキシングに絡むドル買いフローが重石となり、米国時間にかけて、4/6以来、約3ヵ月ぶり安値となる1.1845まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では1.1859近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は米国時間にかけて111.12まで急伸し、6/24に記録した約1年3ヵ月ぶり高値と同水準まで上昇しました。上位足から下位足に至る全てのテナーで強い買いシグナルを示唆する三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダーが継続しており、テクニカル的に見て、更なる上昇を意識させるチャート形状となっております(次のターゲットは昨年3/24に記録した111.72)。ファンダメンタルズ的に見ても、前日に発表された米住宅価格指数(米4月FHFA住宅価格指数:1991年統計開始以来最大の伸び率、米4月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数: 2005年12月以来、約15年半ぶり伸び率)が軒並みインフレ懸念を想起させる結果となった他、昨日発表された米6月ADP雇用統計も力強い結果を示すなど、仮に本日発表される米ISM製造業景況指数の雇用項目の数字や、週末の米6月雇用統計の数字が力強い結果となった場合には、「インフレ懸念+労働市場改善」の組み合わせで、米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の波及経路が一段と強まる展開が想定されます。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(本日は日本時間8時50分に発表される日銀短観、21時30分の米新規失業保険申請件数、23時00分の米6月ISM製造業景況指数に注目)。
本日の予想レンジ:110.80ー111.60
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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