ドル円、米長期金利低下を背景に下落も重要イベントを前に動きづらい展開か
〇ドル円昨晩110.98まで上昇するも米長期金利低下、株式市場軟調からの円買い等に110円台半ばに戻す
〇ユーロドルECB関係者のタカハト発言に1.1903まで下落後1.1923まで持ち直す
〇ドル円111円のレジスタンス前に上値重いが、サポートもしっかり
〇今週は週央以降に重要指標発表多くしばらくレンジ相場形成しやすいか
〇本日の予想レンジ:110.40ー111.00
海外時間のレビュー
週明け28日(月)のドル円相場は上値の重い展開。米国勢参入後に一時110.98まで上値を伸ばすも、心理的節目111.00をバックに伸び悩むと、@先週末金曜日に発表された米5月PCEデフレータが市場予想を下回ったことに伴うインフレ懸念の後退や、A上記@を背景とした米長期金利の低下圧力(米早期テーパリング観測後退→米10年債利回りが1.53%から1.47%へ低下)、B本邦輸出筋による月末を控えたドル売りの思惑、C株式市場の軟調推移を背景としたリスク回避の円買い圧力、Dロンドンフィキシングにかけてのドル売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値110.50まで反落しました。引けにかけて小反発するも上値は多く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では110.62近辺で推移しております。
週明け28日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。@欧米金融政策格差を背景としたユーロ売り・ドル買い圧力や、AパネッタECB専務理事によるハト派的な発言(ECBは政策措置をすぐに縮小すべきでなく、PEPPの異例な柔軟性を維持すべき)、Bオーストリア中銀ホルツマン総裁による「インフレが弱いため、利上げの余地はない」との発言が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1903まで下落しました。しかし、心理的節目1.1900をバックに下げ渋ると、Cドイツ連銀バイトマン総裁による「PEPPは将来的に徐々に規模を縮小する必要あり」との発言や、DデギンドスECB副総裁による「PEPPから公的部門証券買い入れプログラム(PSPP)への移行については、まだ議論を始めたわけではないものの、近い将来実施する可能性があるだろう」との発言、E米長期金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では1.1923近辺まで持ち直す動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は一時110.98まで上値まで上値を伸ばすも、心理的節目111.00に続伸を阻まれる形で反落に転じました。先週末金曜日も高値110.99で失速しており、111.00が市場参加者に意識される目先のレジスタンスポイントとなりつつあります。但し、下方には強力な支持帯として意識されている一目均衡表転換線が控えている他、日足ベースで強い買いシグナルを示唆する三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダーも成立しており、テクニカル的に見て、続落リスクは乏しいと判断できます。また、今週は週央以降に、四半期末ロンドンフィキシングや、米6月ADP雇用統計、米6月ISM製造業景況指数、米6月雇用統計といった重要イベントを控えている為、様子見ムードが強まりやすく、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、レンジ相場を形成し易い環境が整っています。以上を踏まえ、当方ではドル円相場の横ばい推移を本日のメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:110.40ー111.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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