ドル/円は新レンジを形成、基本保ち合いか(6/25夕)

25日の東京市場はドル強保ち合い。上値は重く上げ渋ったものの、下値も堅く、利益確定売りなどが観測されても大きくは下げなかった。

ドル/円は新レンジを形成、基本保ち合いか(6/25夕)

ドル/円は新レンジを形成、基本保ち合いか

〇本日のドル円、110.75-111.00といった狭いレンジ取引、上値は重く上げ渋ったが下値も堅い
〇足もとは再びレンジ取引の様相、次の動意に向け111円挟みでの一進一退の可能性
〇本日は5月PCEデフレーター・6月ミシガン大学消費者信頼感指数確報発表、要人発言の機会も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.20-111.10

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場はドル強保ち合い。上値は重く上げ渋ったものの、下値も堅く、利益確定売りなどが観測されても大きくは下げなかった。

ドル/円は110.85円前後で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。110.75-111.00円といった極めて狭いなかでの上下動となっている。ゴトー日ということで仲値不足が取り沙汰された反面、週末かつ1年3ヵ月ぶりの高値圏ということで利益確定売りやポジション調整の戻り売りも断続的に散見されていた。16時現在では日中のドル安値圏で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米ファンダメンタルズと金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、1-3月のGDP確定値など数多くの米経済指標が発表されるも、多くはほぼ予想通りの内容。そうしたなか、引き続きセントルイス連銀総裁は「想定以上のインフレの上振れが新たなリスクに」、NY連銀総裁「経済活動再開は想定よりも速いペースで進んでいる」、フィラデルフィア連銀総裁「米経済は全体的に良好な状態、昨年の落ち込みから急速に回復している」−−などといった強気のコメントが目を引いている。
対して後者は、バイデン米政権が、新疆ウイグル人権侵害に関与したとして、新たに中国企業5社に制裁を科すと発表したことについて、中国商務省は「事実に反している」と反発。そのうえで、米国に対し対抗措置を取ることを示唆した。ただ、バイデン氏はその後も、中国に批判的な民主派系の香港紙、蘋果日報(リンゴ日報)が廃刊に追い込まれたことを受け中国政府非難の声明を発表している。米中の対立構造は依然として大きな変化がみられず、先行きが懸念されている状況だ。

<< 欧米市場の見通し >>

一時111円台を回復するなど、ドル/円の基本的なリスクは依然としてドル高方向にバイアスか。ただ、足もとは再びレンジ取引の様相を呈しつつある。今年の相場は「レンジ取引のち上抜け。しかし続伸はせず、当初のレベルを切り上げた新レンジを形成する」−−ということの繰り返し。つまり、日足などのチャートでいえば、レベルを少しずつ切り上げる階段状の動きをたどることが少なくないようだ。目先的には次の動意に向け、111円挟みでの一進一退が続く可能性もある。
市場は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向に注目。うち後者については連日、米通貨当局者などから早期の金利引き上げ容認など強気の発言が相次いでおり、それがドルの支援要因に。一方で、「米金利上昇にともなう米株安進行」を懸念する声もあるが、昨日もNYダウが終値ベースで300ドル以上上昇するなど、取り敢えずは杞憂にとどまっている。油断は禁物ながら、たとえ調整などに押されても存外ドルは底堅く推移するかもしれない。

テクニカルに見た場合、一時111円台を回復したドル/円だが、しっかりとした上抜けには失敗。結果として、目先は110.60-111.10円といった非常に狭い新レンジを形成している。まずは、前述レンジをめぐる攻防に要注意だ。本日東京夕方、大引けにかけては110.70円台へと小緩んできており、果たしてこの後も続落、レンジの下限割れとなるのだろうか。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、5月のPCEデフレーターや6月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表される予定だ。また昨日ほどではないが、それでもクリーブランド連銀総裁やボストン連銀総裁による講演など発言機会はあり、波乱要因として注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.20-111.10円。2日続けてドルの上値を抑制した111.10円レベルはなかなか強い抵抗だ。抜ければ、少し遠いが111円半ばから後半がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、週半ば以降というごく短期だが時間足などをみると110.60円前後がサポートとして意識されている感を否めない。その攻防にまずは注目で、割り込むようだと移動平均の21日線が位置する110円前後を目指す展開も。

ドル/円は新レンジを形成、基本保ち合いか

ドル円日足


※ポイント要約は編集部

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