ドル円、不冴な米経済指標で反落するも下値は堅い。PCEデフレータに注目
〇ドル円111.11で続伸を阻まれ、米指標の悪化等で110.71まで反落
〇その後はFRB当局者の相次ぐタカ派発言に110.88レベルに持ち直す
〇ユーロドルIFO指数の好結果や株式市場の堅調に1.1956まで上昇後伸び悩み、1.19台前半に反落
〇ドル円小幅反落するも上昇トレンドを継続、テクニカルの地合い強い
〇本日は米5月PCEデフレータに注目、5、10日要因にも注意
〇本日の予想レンジ:110.50ー111.30
海外時間のレビュー
24日(木)のドル円相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて高値111.11まで上値を伸ばすも、前日記録した約1年3ヵ月ぶり高値111.11と同値で続伸を阻まれると、@上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りや、A米長期金利低下に伴うドル売り圧力、B欧米株の堅調推移を背景としたリスク選好のドル売り圧力、C米5月耐久財受注(結果2.3%、予想2.8%)の予想比悪化、D米新規失業保険申請件数(結果41.1万件、予想38.0万件)の冴えない結果が重石となり、米国時間にかけて、安値110.71まで反落しました。
もっとも、その後は、Eセントルイス連銀ブラード総裁やダラス連銀カプラン総裁による「米インフレリスク」を警戒した発言が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では110.88近辺まで持ち直す動きとなっております。尚、バイデン米大統領は昨日、超党派の上院議員との会合を経て、インフラ投資計画で合意を得られたことを明らかにしましたが、現時点で市場の反応は限定的となっております。
24日(木)のユーロドル相場は上昇後に反落。@独6月IFO景況感指数(結果101.8、予想100.6、前回99.2)の力強い結果(2018年11月以来の高水準)や、A米長期金利低下に伴うドル売り圧力、B欧米株の上昇を背景としたリスク選好のドル売り圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1956まで上昇しました。しかし、前日6/23に記録した高値1.1970をバックに伸び悩むと、C米当局者によるタカ派的な発言が重石となり、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では1.1932近辺まで反落する動きとなっております。
本日の見通し
ドル円はアジア時間に記録した年初来高値111.11をトップに反落に転じると、海外時間にかけて110.71まで反落しました。しかし、日足ベースで一目均衡表三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダーといった強い買いシグナルが成立していること、ダウ理論でも高値と安値を同時に切り上げる上昇トレンドが継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(4/23に記録した安値107.47を起点とした上昇トレンドが継続中。6/21安値109.71を下回らない限り、buy on dip戦略継続方針)。
こうした中、本日は米5月PCEデフレータや、米当局者発言(クリーブランド連銀メスター総裁、ボストン連銀ローゼングレン総裁)に注目が集まります。PCEデフレータが市場予想を上回る結果となった場合や、米当局者よりタカ派的な見解が示される場合には、米インフレ懸念再燃→米早期テーパリング・早期利上げ観測再燃→米長期金利上昇→ドル高の経路で、ドル円が年初来高値111.11を上抜けるシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は5・10日となる為、日本時間9時55分にかけてのドル買い・円売り(ドル不足)にも注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:110.50ー111.30
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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