ドル円、下落後に急反発。米当局者によるタカ派的な発言が下支え(6/22朝)

週明け21日(月)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、下落後に急反発。米当局者によるタカ派的な発言が下支え(6/22朝)

ドル円、下落後に急反発。米当局者によるタカ派的な発言が下支え

〇ドル円アジア時間に109.71まで下落後米国時間にかけ110.33まで反発
〇欧米株の反発、FRB当局者のタカ派発言と米長期金利急上昇が背景
〇ユーロドルは欧米株堅調に1.1921まで持ち直す、ラガルドECB総裁のハト派発言は影響限定的
〇ドル円転換線を上抜ける等テクニカルな地合いは強い
〇ファンダメンタルズもテーパリング観測に加え、利上げ観測も高まっていることでドルをサポート
〇ドル円続伸がメインシナリオ、本日もパウエル議長はじめFRB当局者発言多く要注意
〇本日の予想レンジ:109.90ー110.70

海外時間のレビュー

週明け21日(月)のドル円相場は下落後に急反発。@日経平均株価が一時1160円超の急落劇を演じたことや、A上記@を背景としたリスク回避の円買い圧力(クロス円下落→ドル円連れ安)、B米長期金利の急低下(米10年債利回りは一時1.36%へ急低下)が重石となり、アジア時間にかけて、一時109.71まで急落しました。しかし、C日銀による4/21以来となるETF買い入れ再開(701億円)が報じられると、D欧米株の堅調推移(米ダウ平均株価は一時610ドル超の急騰劇)や、E上記Dを背景としたリスク回避の円買い後退、Fセントルイス連銀ブラード総裁による「我々はテーパリング議論を開始する時期にきている」との発言、Gダラス連銀カプラン総裁による「テーパリング開始は遅いより早い方が良い」との発言、H上記FGをトリガーとした米長期金利の急上昇(米10年債利回りはアジア時間に記録した1.36%から1.49%へ急上昇)、I短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間にかけて、高値110.33まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時00分現在)では110.28近辺で推移しております。

週明け21日(月)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@日経平均株価の急落や、A上記@を背景としたリスク回避の円買い圧力(ユーロ円下落→ユーロドル連れ安)が重石となり、アジア時間にかけて、一時1.1848まで下落しました。しかし、先週末金曜日に記録した安値1.1846をバックに下げ渋ると、B欧米株の持ち直しを背景としたリスク回避ムードの後退(ユーロ円急伸→ユーロドル連れ高)が支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.1921まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時00分現在)では1.1918近辺で推移しております。尚、ラガルドECB総裁は昨日、議会証言にて「必要とあればECBには利下げの余地もある」と発言しましたが、ユーロ売りでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円はタカ派的な米当局者発言を背景に一時110.33まで反発しました。@アジア時間帯の下落局面において一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドが確りサポートとして機能したこと、A欧米時間にかけて一目均衡表転換線を上抜けしたこと、B強い買いシグナルを示唆する三役好転や、Cパーフェクトオーダーが継続していること、Dダウ理論における上昇トレンドが継続していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、E米早期テーパリング観測のみならず、米利上げ観測も高まっていること(大規模金融緩和からの脱却の糸口が見えない日本と、早期テーパリングや早期利上げを織り込む米国との日米金融政策格差。FOMCは先週の会合で2023年末までに2回の利上げを示唆)や、F上記Eを背景とした過剰流動性相場の逆流リスク(※米早期テーパリングをトリガーとした資産現金化需要のドル買いリスク)など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米5月中古住宅販売件数や、米6月リッチモンド連銀製造業指数に加えて、クリーブランド連銀メスター総裁講演や、サンフランシスコ連銀デーリー総裁講演、パウエルFRB議長による下院特別小委員会での証言、米2年債入札に注目が集まります。良好な米経済指標が示される場合や、米当局者よりタカ派的な見解が示される場合には、米長期金利上昇→米ドル高の流れを通じて、ドル円が先週記録した高値110.83や、3/31に記録した年初来高値110.97を試すシナリオも想定される為、アップサイドリスクに引き続き警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:109.90ー110.70

注:ポイント要約は編集部

ドル円、下落後に急反発。米当局者によるタカ派的な発言が下支え

ドル円日足

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