ドルは110円台回復、米雇用統計を注視(6/4夕)

4日の東京市場は膠着相場。ただ、前日のNY時間に110.32円を示現した直近高値に、再び面合わせする局面も観測されていた。

ドルは110円台回復、米雇用統計を注視(6/4夕)

ドルは110円台回復、米雇用統計を注視

〇本日のドル円、前日高値110.32に面合わせするも、110円台前半、20ポイント弱のレンジ取引に終始
〇1週間ほど推移した新レンジ109.30-110.20を昨日NY時間に上抜ける、更なるドル高進行への期待も
〇テクニカルには次は年初来高値の110.97、そのレベルも超えれば昨年高値の112.22がターゲットか
〇昨日発表のADP雇用統計の良好な結果を受け、本日の米雇用統計にも期待が高まる
〇本日発表予定の5月雇用統計、4月製造業受注指数・耐久財受注、要人発言に注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.90

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場は膠着相場。ただ、前日のNY時間に110.32円を示現した直近高値に、再び面合わせする局面も観測されていた。

ドル/円は110.25円前後で寄り付いたものの、動意は乏しい。NY時間に予定されている米雇用指標の発表待ちといった様相で、積極的な売買は手控えられている。結局110円台前半、20ポイントにも満たないレンジ取引のまま、16時現在ではほぼ寄り付きレベルで推移、欧米市場を迎えていた。
そうしたなか、ドルは前日の流れを継ぎ対円以外でも全般買いが優勢。ユーロ/ドルは一時1.21ドル割れをうかがう様相を呈するなど、5月14日以来の安値圏へと達している。

一方、材料的に注視されていたものは、「米国情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、本日発表される米雇用指標に先行する格好で発表された2つの米雇用指標がともに改善。とくにADP雇用統計は大幅な上ぶれでドル買いを強く後押ししていたという。また、そののち発表されたISM非製造業景気指数も良好となり、米ファンダメンタルズの改善観測が強まると本日の米雇用統計についても市場の期待感がさらに高まった感を否めない。なお、そうしたなかロイターなどが「バイデン米大統領、大型インフラ投資計画をめぐる協議で法人増税案の撤回を提案」などと報じ、物議を醸していたようだ。
対して後者は、東南アジアを中心とした新型コロナ変異種の感染拡大が、再び欧米諸国にも影を落としつつある感。実際、英公衆衛生局は「新型インド変異株は重症化リスクが高い可能性がある」と警告、それもあり同国政府は7ヵ国を新たにコロナウイルスの水際対策の「レッドリスト」に追加したと発表していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、1週間ほど推移していた新レンジ109.30-110.20円を昨日NY時間に一時上抜けてきた。110.32円まで上値を伸ばしている。米雇用統計発表前で様子見ムードの強いなか、前述したように良好なADP雇用統計がドル買いを促進していた感を否めない。油断は禁物だがリスクはドル高方向にバイアスで、さらなるドル高の進行を期待する声が市場では優勢だ。
昨日はADP雇用統計をはじめとする発表された米経済指標がいずれも良好の内容となったこともあり、本日の米雇用統計についても期待が一段と高まっている感がある。ちなみに、市場でもっとも注視されている非農業部門雇用者数はプラス67万人強との見方が予想の中心だが、昨日の結果を受けてさらに改善される公算が大きいとの声も聞かれていた。いずれにしても、指標発表前後の相場動向には注意が必要だろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円はレンジを上抜き110円台を回復しての推移。ドル高方向への展望が拡大したようだ。フィボナッチなどでは、一本調子で到達するかは別にして次のターゲットは年初来高値の110.97円。そして、そのレベルも超えれば昨年高値の112.22円が薄らとだが、視界内に捉えられそうだ。
対して、上値トライが失敗に終わった場合には移動平均の21日線も近い、昨日超えてきたレンジ下限の109.30円前後がサポートか。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の注目材料として、市場の注目度が高い5月雇用統計のほか、4月の製造業受注指数や同耐久財受注といった米経済指標も発表される予定だ。また、5日までの日程で実施されるG7財務相会合、参加する要人の発言などにも一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.90円。昨日そして本日東京でも取り敢えず上げ止まった110.30-35円が目先の抵抗として意識されている。超えれば年初来高値110.97円が名実ともにターゲット。
対するドル安・円高方向は110円前後や、前回高値だった109.85-90円などが目先のサポートか。それを割り込むようだと、109.33円や移動平均の21日線などを目指す展開が見込まれている。

ドルは110円台回復、米雇用統計を注視

ドル円日足


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