ドル円、心理的節目110.00を突破し、約2ヵ月ぶり高値圏へ。米雇用統計に注目
〇ドル円4/6以来の高値110.32まで急伸
〇米雇用関連指標の好調、ISM非製造業指数の過去最高値記録、バイデン大統領の増税案撤回等が背景
〇ユーロドル米指標好調からのドル買いに約3週間ぶり安値1.2118まで急落
〇ドル円テクニカルの強い地合い継続、本日は米雇用統計に注目
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想、20時に予定されているパウエル議長の発言にも注目
〇本日の予想レンジ:110.00ー111.00
海外時間のレビュー
3日(木)のドル円相場は堅調な値動き。@ロシア財務相による「ロシア政府系ファンドのドル建て資産の保有高をゼロにし、ユーロや人民元、金にシフトする」「資産構成の変更は今後1ヶ月以内に実施予定」との発言が重石となり、米国時間朝方にかけて、一時109.63まで下落しました。しかし、前日安値109.42をバックに下げ渋ると、A米5月ADP雇用統計(結果97.8万人、予想65.0万人)の力強い結果や、B米新規失業保険申請件数(結果38.5万件、予想39.0万件)の予想比改善、C上記ABを背景とした米雇用統計(6/4)への期待感(米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の思惑)、
D米5月ISM非製造業景況指数(結果64.0、予想63.0)の良好な結果(過去最高水準)、E心理的節目110.00および5/28に記録した直近高値110.21突破に伴う短期筋のストップBUY、F110.00の巨大オプションのカットオフ(日本時間23時のNYカット)、Fバイデン米大統領による増税案の撤回提案(代替案として法人税の最低税率を15%に設定)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、4/6以来、約2ヵ月ぶり高値となる110.32まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時10分現在)では、110.29近辺で推移しております。
3日(木)のユーロドル相場は急反落。@ロシア財務相による「政府系ファンドのドル建て資産の割合をゼロにする一方、ユーロの割合を従来の35%から40%へ引き上げる」との発言を背景に、米国時間朝方にかけて、一時1.2208まで上昇しました。しかし、前日高値1.2227をバックに伸び悩むと、A良好な米経済指標を背景としたドル高圧力や、BECB当局者によるユーロ高牽制の思惑、C上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りが重石となり、米国時間午後にかけて、5/14以来、約3週間ぶり安値となる1.2118まで急落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時10分現在)では、1.2127近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時110.31まで急伸するなど、約2ヵ月ぶり高値圏へと上昇しました。上位足から下位足に至る全てのテナーで強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダーが成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(ダウ理論で見ても、上値と下値を同時に切り上げる上昇トレンドが4/23以降継続中)。
こうした中、本日は今週のメインイベントである米5月雇用統計に注目が集まります。6/1に発表されたISM製造業景況指数の雇用項目は冴えない結果となりましたが、昨日発表された米ADP雇用統計は力強い数字となりました(本日の米雇用統計への期待感を高める内容)。
日本時間21時30分に発表される米5月雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率、平均時給)が力強い結果を示した場合、6月FOMCに向けて米テーパリングを一段と織り込む動きが強まると見られ、ドル円は米長期金利上昇→ドル高の波及経路で、3/31に記録した直近高値110.97を試す展開が想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日は日本時間20時00分に予定されているパウエルFRB議長の発言にも注目が集まります)。
本日の予想レンジ:110.00ー111.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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