ドル円は新レンジ形成、目先の方向性乏しい(6/2夕)

2日の東京市場はドルが強含み。値動きそのものは30ポイント強と、それほど大きくなかったがドルは緩やかな右肩上がりをたどっていた。

ドル円は新レンジ形成、目先の方向性乏しい(6/2夕)

ドル円は新レンジ形成、目先の方向性乏しい

〇ドル円、値動きは30ポイント強にとどまるが夕方に109.75-80まで上昇するなど、ドルが強含みな展開
〇ドル円は直近1週間程度109.30-110.20といった値動き、新レンジ形成か、今後の動きに注目
〇目先は週末の米雇用統計待ち、基本は手控えムードが続く可能性
〇本日米地区連銀経済報告が公表される予定、通貨当局者の発言にも要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.30-110.20

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場はドルが強含み。値動きそのものは30ポイント強と、それほど大きくなかったがドルは緩やかな右肩上がりをたどっていた。

ドル/円は109.45-50円で寄り付いたのち小緩み、日中安値を示現するも、その後は一貫してドルじり高の値動き。日米株価や金利の動きを注視しつつ、夕方には109.75-80円まで上昇。16時現在でもドルは高値圏で推移、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、トルコリラが売り込まれると、対円では一時年初来安値を更新。トルコ大統領が「われわれには利下げが必要、中銀総裁と話をした」などと発言したことが材料視されていたようだ。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「米ファンダメンタルズと金融政策」について。
前者は、マレーシア外務省が「南シナ海を侵犯する中国軍機に対し緊急発進させるトラブルがあった」と非難。また中国外務省は、同国外相がオンライン形式で実施されたBRICS会合において「日本の福島原発処理水を国際紛争と同列に争点化した」ことを明らかにしている。台湾などを含め、依然として周辺国との小競り合いは続いている状態だ。しかし、その一方で新華社は「中国の劉副首相とイエレン米財務長官がビデオ会談実施。両氏は米中関係が非常に重要との認識で一致」−−などと報じていた。
対して後者は、昨日発表された米経済指標は好悪が混在。ただ、市場の関心を集めていた5月のISM製造業景況指数は予想を上回る内容だった。そうしたなか、ブレイナードFRB理事から「早期の金融引き締め」に警鐘を鳴らす発言が観測されたうえ、サンフランシスコ連銀が「米労働市場、指標が示すほど良好でない可能性がある」などとした報告書を発表、市場で思惑を呼んでいたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、かつて推移していた108.30-109.80円のレンジを一時上放れたものの、値は飛ばず。むしろ、ここ最近の動きをみると、新たなレンジを形成しつつある感を否めない。実際、直近1週間程度を見てみると、ザックリ109.30-110.20円といった値動きだ。そんなレンジ取引がいましばらく続くのか否か、状況をしっかりと見極めたい。
為替のみならず金融市場全般で、米ファンダメンタルズ改善観測と、FRBによる早期テーパリング期待は強いものの、前述したように一筋縄ではいかない状況だ。少なくとも、現状の期待感などだけで、さらに積極的にドルを買っていくには限界もあるだろう。背中を押す材料が必要とみられ、それが週末の米雇用統計か。逆に言えば、目先は米雇用統計待ちで基本は手控えムードが続くことになるのかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は109.10-20円に位置する移動平均の21日線をサポートに底堅いものの、上値も重く上げ渋り。結局、過去1週間程度は109円台を中心とした1円弱の往来相場だ。明確な方向性はうかがえない。足もとのようなレンジ取引がさほど長期化するとは思っていないが、先で指摘した週末の米雇用統計発表までは積極的に動きにくく、結果としてボックス圏での一進一退が続く可能性も否定できない。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日は市場の注目度が高い米経済指標の発表は予定されていないが、代わりに米地区連銀経済報告が公表される見込みで、そちらは一応要注意。またミネアポリス連銀主催のイベントが実施され、そのなかでシカゴ連銀総裁をはじめ多くの通貨当局者が発言をする見込みだ。要人発言も波乱要因として注意が必要か。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.30-110.20円。東京夕方に掛けてドル買いが優勢となっているが、上値は重いか。110円前後がひとつの壁になりそうで、超えても前回高値110.20円を抜けることは難しそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値109.33円が目先の安値で攻防を注視。ただ、その下には21日線が位置しており、大崩れも目先予想しにくい状況だ。

ドル円は新レンジ形成、目先の方向性乏しい

ドル円日足


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