ドル円、方向感に欠ける値動きが継続。早くも週末の米雇用統計待ちの様相に
〇ドル円米長期金利上昇等に109.71まで上げるもISM指数雇用項目の悪化に109.47付近に反落
〇ユーロドル良好な経済指標に1.2254まで上昇するが反落1.2220近辺で推移
〇ドル円週末の米雇用統計控え様子見ムード続く
〇テクニカルには下値余地限られ、ファンダメンタルズもドル高材料増える
〇ドル円上昇がメインシナリオ、本日の予想レンジ:109.10ー110.00
海外時間のレビュー
1日(火)のドル円相場は方向感に欠ける値動き。アジア時間朝方にかけて一時109.33まで下げ幅を広げるも、一目均衡表転換線に続落を阻まれると、@米長期金利の上昇(米10年債利回りは5/21以来となる1.63%へ上昇)や、A連休明けの欧米勢によるドル買い圧力(根強い米早期テーパリング観測)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、日通し高値109.71まで上昇しました。しかし、B注目された米5月ISM製造業景況指数が良好なヘッドライン(結果61.2、予想60.9、前回60.7)を示しつつも、内訳の雇用項目(結果50.9、前回55.1)が冴えない結果となると、C週末に予定されている米5月雇用統計への警戒感も相俟ってドル売りが強まり、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、109.47近辺まで反落する冴えない動きとなっております。
1日(火)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。欧州時間朝方にかけて一時1.2214まで下げ幅を広げるも、@ユーロ圏5月製造業PMI改定値(結果63.1、予想62.8)の良好な結果や、Aユーロ圏5月消費者物価指数(結果2.0%、予想1.9%、※前年同月比)の伸び率上昇、B米5月ISM製造業景況指数の雇用項目(結果50.9、前回55.1)の冴えない結果が支援材料となると、米国時間にかけて、約1週間ぶり高値となる1.2254まで反発しました。もっとも、5/25に記録した直近高値1.2267をバックに伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.2220近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は米雇用統計を週末に控え、様子見ムードが続いております(上下共方向感を見出しづらい時間帯)。但し、テクニカル的には、ダウンサイドに一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や一目均衡表雲上限等の主要テクニカルポイントが並んでいる他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も継続していることから、下値余地は限定的と考えられます(下落局面では押し目買いが出易いチャート形状)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米早期テーパリング観測が燻っていること(今週末の米雇用統計が市場予想を上回る結果となれば、6月FOMCに向けて米長期金利上昇→ドル高の流れが再開する可能性あり)や、Aバイデン米大統領による財政出動期待が高まっていること(バイデン米大統領は共和党の交渉役であるカピト上院議員と6/2に協議予定)など、ドル高・円安を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は上述のバイデン米大統領とカピト上院議員の協議内容に加えて、米地区連銀経済報告(ベージュブック)に注目が集まります。後者で力強い米国経済情勢が示されれば、米早期テーパリング観測を織り込む形でドル高に弾みがつく恐れもあり、アップサイドリスクに引き続き警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:109.10ー110.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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