ドル円、英米休場に伴うポジション調整で軟調な展開。ISM製造業指数に注目
〇ドル円、日経平均下落を背景とした円買いや英米休場に伴うポジション調整に一時109.36まで下落
〇ユーロドル欧州でのコロナ終息期待、独CPI上昇に1.2232まで上昇、その後は方向感失う
〇ドル円週明けの動きは冴えなかったもののテクニカルな地合いの強さは維持
〇ファンダメンタルズもドル高円安材料増える
〇ドル円上昇がメインシナリオ、本日の予想レンジ:109.20ー110.20
海外時間のレビュー
31日(月)のドル円は軟調な値動き。先週末金曜日は、@米早期テーパリング観測の高まり(クオールズFRB副議長による「資産購入縮小の条件を年内に満たす可能性があると予想している」との発言)を背景とした米長期金利の上昇や、A米紙による「バイデン米大統領が2022会計年度の予算教書で6兆ドルの歳出を求める計画」との一部報道、B米4月PCEコアデフレータ(結果3.1%、予想2.9%、※前年同月比)の伸び率上昇が支援材料となり、4/6以来、約1ヶ月半ぶり高値となる110.21まで急伸しました。
しかし、買い一巡後に反落に転じると(戻り売り圧力に押されると)、週明け月曜日は、C日経平均株価の下落を背景としたリスク回避的な円買い圧力や、D米長期金利の伸び悩み、E月末ロンドンフィキシングに絡むドル売りフロー、F上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り、G英米市場休場に伴うポジション調整(英国はスプリングバンクホリデー、米国はメモリアルデー)が重石となり、米国時間には一時109.36まで反落する場面も見られました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時50分現在)では、109.56近辺で推移しております。
31日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。@欧州圏における新型コロナウイルスの終息期待や、A上記@を背景としたECBによる根強いテーパリング観測、Bドイツ5月消費者物価指数(結果2.5%、予想2.3%、前回2.0%、※前年同月比)の伸び率上昇、C米長期金利の伸び悩み、D月末ロンドンフィキシングに絡むドル売りフローが支援材料となり、米国時間にかけて、日通し高値1.2232まで上昇しました。もっとも、その後は、英米市場休場で方向感に欠ける値動きが継続し、本稿執筆時点(日本時間5時50分現在)では、1.2228近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は先週末金曜日に一時110.21(心理的節目110.00を突破し、4/6以来、約1ヶ月半ぶり高値を記録)まで上昇しましたが、週明けは一転、109.36まで反落する冴えない動きとなりました。但し、一目均衡表転換線に死守できていること、強い買いシグナルを示唆する三役好転(一目均衡表転換線と基準線のゴールデンクロス、ローソク足の雲上限上抜け、遅行線の26日前のローソク足上抜けが全て揃う状態)が継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目)。
ファンダメンタルズ的に見ても、米早期テーパリング観測(6月FOMCや7月議会証言への警戒感)に伴う米長期金利の上昇圧力や、バイデン米大統領による財政出動期待(国債増発懸念)など、ドル高・円安を意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間23時00分に発表される米5月ISM製造業景況指数に注目が集まります(ヘッドラインに加えて、雇用項目の数字にも注目)。市場予想を上回る力強い結果が示されれば、インフレ懸念と相まって、米早期テーパリング観測→米長期金利上昇→米ドル高の波及経路が再開する可能性がある為、アップサイドリスクに注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:109.20ー110.20
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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