依然方向性乏しい、レンジ脱却なるか注目(5/21夕)

21日の東京市場は連日の小動き。前日の109円台前半から108円後半とレベルは変わったものの、引き続き20ポイント強という値動きで方向性は乏しかった。

依然方向性乏しい、レンジ脱却なるか注目(5/21夕)

依然方向性乏しい、レンジ脱却なるか注目

〇本日のドル円、108円後半での20ポイント強の値動きで方向性が乏しい展開
〇今週は109円を挟みおよそ1円レンジの取引にとどまる、レンジ放れの有無に注視
〇今週安値の108.58ならびに月間安値108.34を下回れば、ドルの下値余地が拡大する可能性も
〇本日、5月製造業PMI速報・4月中古住宅販売件数発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.30-109.20

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場は連日の小動き。前日の109円台前半から108円後半とレベルは変わったものの、引き続き20ポイント強という値動きで方向性は乏しかった。

ドル/円は108.70-75円で寄り付いたものの、本日も積極的な動意に乏しい。終値ベースで200円以上上昇した日経平均などの株価や金利、暗号資産(仮想通貨)をにらみつつも、ドル/円の売買は終始手控えムード。108.65-90円といった狭いレンジ内での一進一退に終始している。16時現在では108.75-80円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、そうしたなか豪ドルやNZドルといったオセアニア通貨の弱さが目に付く。大局的にはレンジ内だが、対中関係の悪化を背景に鉄鋼および鉄鉱石市場への懸念が取り沙汰され、売りを後押ししていたという。

一方、材料的に注視されていたものは、「ガザ停戦」と「ロシア情勢」について。
前者は、まだ不安要素はくすぶるものの、本日東京時間午前8時からイスラエルとパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスが、「相互かつ同時」に停戦に入ったようだ。少なくとも、イスラエル政府が停戦を承認したことは間違いなく、またバイデン米大統領も停戦で合意したことを歓迎するとともに、ガザへの人道的支援を行うと指摘していた。いずれにしても、協定破りなどがないようにしばらくは状況を見極めたい。
対して後者は、前日にロシア紙が「ロシアの安全保障会議書記が近く米大統領補佐官と会談する」と報じたうえ、米国務長官とロシア外相が19日に実際の対面式会談に挑んだことが明らかになるなど、米露の関係改善を期待する声が高まるなか、ロイターはロシア大使が先日のG7外相声明に噛みついたと報じていた。声明では「ロシアと中国を最大の脅威」と指摘しており、これについて大使は「中露の緊密化を後押しする危険なゲーム」との認識を示したという。

<< 欧米市場の見通し >>

金融市場全般を見ると、ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)が依然として活発な変動を示すなど、決して動意が鈍いわけではないが為替市場、なかでもドル/円はというとそれほど大きな動きに繋がっていない状況だ。事実、今週は109円を挟みプラスマイナス50銭といった値動きで、およそ1円レンジにとどまっている。引き続きレンジ放れの有無が注視されそうだが、果たして欧米市場で動意づくのだろうか。期待はしているものの、基本的には109円挟みの一進一退が続く公算が大きいだろう。
前述したビットコインなどは別にして、やや荒っぽい変動をたどり、相場のかく乱要因となっていた米株や米金利は足もと小康状態に入りつつあるようだ。もちろん、予断は許さないが、それらが落ち着きを取り戻せばドル/円はさらに膠着度を増すことになりかねないだろう。なお為替市場においても、そんなドル/円より、今週はユーロやポンド、あるいはトルコリラの動静を注目する向きもある。広義の欧州通貨が相場の動きをけん引する可能性もある。

テクニカルに見た場合、前述したように今週のドル/円は大雑把に1円レンジのなかにとどまっており、方向性は乏しい状況。ただ、敢えて指摘すれば、本稿執筆時はレンジ下限に接近する展開で、このあとの欧米時間に下限割れを達成するのか否かに注目したい。今週安値の108.58円ならびに108.34円を下回れば、ドルの下値余地が拡大しかねないだけに注意しておきたいところだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、5月の製造業PMI速報や4月の中古住宅販売件数といった米経済指標が発表される見込みだ。ちなみに、昨日発表された5月のフィラデルフィア連銀景況指数は予想を下回る内容で、市場の失望を誘っていた。連日の悪指標となれば、ネガティブサプライズにも。そのほか、複数の米地区連銀総裁が参加するアトランタ連銀による会合などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.30-109.20円。短期的には109円前後が抵抗として意識されており、本日の東京高値を含めた109.30-35円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、今週安値である108.58円をめぐる攻防にまずは注目。割り込めば、月間安値108.34円が意識されそうだ。

依然方向性乏しい、レンジ脱却なるか注目

ドル円日足


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