ドル円、109円台を維持できず反落。米長期金利の低下が重石
○タカ派なFOMC議事要旨を背景にアジア時間朝方にかけて、109.31まで上昇
○その後、米長期金利の低下などが重石となり、米国時間にかけて108.75まで反落
○ユーロドルEUによるワクチン完了の旅行者の入国承認などを材料に、米国時間にかけて1.2227まで反発
○ドル円、ここ数日間、一目均衡表転換線や節目109.00を挟んでの上下を繰り返す
○本日は米5月総合PMI速報値や、米4月中古住宅販売件数に注目
○本日の予想レンジ:108.50ー109.30
海外時間のレビュー
20日(木)のドル円相場は上値の重い展開。@タカ派寄りの米FOMC議事要旨(一部の参加者が資産買い入れペースの調整を巡る議論開始が適切になる可能性があると指摘)を背景とした米早期テーパリング観測の再燃(米長期金利上昇→米ドル高)や、A5・10日要因に伴うドル買い・円売りが支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、日通し高値109.31まで上昇しました。しかし、前日高値109.35をバックに伸び悩むと、B米長期金利が低下に転じたことや、C米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(結果31.5、予想43.0、前回50.2)の冴えない結果、D対欧州通貨でのドル売り圧力、E欧米株の反発を受けたリスク回避ムードの後退(資産現金化需要のドル買いの後退)が重石となり、米国時間にかけて、日通し安値108.75まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時45分現在)では、108.80近辺で推移しております。
20日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。米FOMC議事要旨後に一時1.2160まで下げ幅を広げるも、一目均衡表転換線をバックに下げ渋ると、@欧州連合がワクチン完了の旅行者の入国を正式に承認したことや、A上記@を背景とした欧州経済の回復期待、B欧米株の上昇を背景としたリスク回避ムードの後退(ドル売り)、C米経済指標の冴えない結果(ドル売り)、D米長期金利の低下(ドル売り)が支援材料となり、米国時間にかけて、日通し高値1.2227まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時45分現在)では、1.2225近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円はFOMC議事要旨後に一時109.31まで上値を伸ばすも、昨日は108.75まで反落する冴えない動きとなりました。ここ数日間、一目均衡表転換線や節目109.00を挟んでの上下が繰り返されており、ファンダメンタルズを睨みながらの神経質な値動きが続いております(振れを伴いながらも方向感を見出しづらい時間帯)。
こうした中、本日は米5月総合PMI速報値や、米4月中古住宅販売件数の結果に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円が再び上昇に転じる可能性が高まりますし、一方、冴えない結果となれば、米早期テーパリング観測後退→米長期金利低下→米ドル売りの経路で続落する冴えない動きとなりそうです。このように、足元では、米FRBのテーパリング開始時期を見極める動き(6月FOMCなのか、8月ジャクソンホールなのか、それとも9月以降のFOMCなのか?)が継続しており、今後もファンダメンタルズ主導の神経質な値動きが予想されます。尚、当方では、8月ジャクソンホールでのテーパリング開始宣言を想定している為、ドル円は振れを伴いながらも、最終的に上昇基調に戻るシナリオをメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:108.50ー109.30
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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