ドルの上値トライ、またもや「ダマシ」に終わるか(5/14夕)

14日の東京市場は、再び「行って来い」。昨日同様、一時ドル買いが優勢となるも続かず、結局ドルは小反落している。

ドルの上値トライ、またもや「ダマシ」に終わるか(5/14夕)

ドルの上値トライ、またもや「ダマシ」に終わるか

〇本日のドル円、一時ドル買い優勢となり109.65-70へ値を上げるも小反落へ転じ「行って来い」の展開に
〇ドルの上値トライはダマシに終わる可能性、109-110円をコアベースとした新レンジ形成といった見方も
〇米株価や金利の動きにも影響する米経済指標の内容にまずは注意
〇本日は4月米小売売上高・鉱工業生産、5月ミシガン大学消費者信頼感指数速報発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.00-109.90

<< 東京市場の動き >>

14日の東京市場は、再び「行って来い」。昨日同様、一時ドル買いが優勢となるも続かず、結局ドルは小反落している。

ドル/円は109.40円前後で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。109.65-70円へと小幅に値を上げたものの、上値は重く上げ渋り。そののち小反落へと転じると、そのまま寄り付きレベル超え109.35円前後まで値を下げている。結局、夕方16時現在では109.35-40円で推移、欧米市場を迎えていた。
なお、そうしたなかトルコリラが引き続き冴えない。対円ではおおむね13円以下で推移するなど12.70円前後、年初来安値を意識した展開だった。

一方、材料的に注視されていたものは、「米経済指標とファンダメンタルズ」そして「米パイプライン会社をめぐる動き」について。
前者は、発表された米経済指標だが先週末の雇用統計、12日の消費者物価指数に続き、昨13日も生産者物価指数がサプライズとなり、相場のかく乱要因となった。難しいのは米金利の動きも加味される格好で、米株とドルの動きにその都度、解釈の変更が行われること。ちなみに、一昨日は「米株安=ドル安」だったが、昨日は「米株高=ドル高」と言われていたようだ。いずれにしても、本日も発表される米経済指標の内容如何で為替市場は波乱含みかもしれない。

対して後者は、バイデン米大統領が、現地時間12日夕方に操業を再開した米パイプライン最大手コロニアル・パイプラインについて「フル稼働しているもよう」などと指摘する一方、サイバー攻撃に関しては「ロシア政府の関与はなかった」と説明。ややトーンダウンとも言えるコメントを発したが、反面で「ハッカーがロシアにいる」とも主張するとともに、6月にも開くロシアとの首脳会談で、取り締まりの強化を求める考えを改めて示している。なお、そうしたなかブルームバーグは「パイプライン運営会社が500万ドル近い身代金を支払っていた」と報じ、物議を醸していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日一時109.78円を示現し直近の戻り高値を示現するも、上値は重く上げ渋り。リスクという意味では上方向にバイアスがかかるものの、イケイケドンドンのドル高進行も見込みにくそうだ。場合によっては、これまで推移していた108.30-109.00円といったレンジを上方修正させた109-110円をコアベースとした新レンジをしばらくのあいだ形成する可能性も否定できない。
材料的には、引き続き米株価や金利の動きにも多大な影響を及ぼす、発表される米経済指標の内容にまずは注意。ちなみに、本日は4月の米小売売上高や同鉱工業生産などが発表される見込みで、発表前後の金融市場全般動きにはしっかりと注視しておきたい。そのほか、この週末を含めてだが、新型コロナに関する話題やキナ臭い話題の多い国際情勢も気掛かりだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円はフィボナッチポイントである109.65-70円を昨日上抜け、ドルの続伸が期待されたが結局尻すぼみ。まだ断定はできないものの、今回もドル高の進行は「ダマシ」に終わる可能性を否定できないだろう。先で指摘したように、109-110円をコアベースとした新レンジを形成するといった見方も一部で取り沙汰されている。打破するには、出来るだけ早く110円台回復が望まれるところだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、4月の小売売上高や5月のミシガン大学消費者信頼感指数速報といった米経済指標が発表される予定だ。何度も言うが、ここ最近はサプライズとなることが少なくないだけに、本日もその内容には要注意だろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.00-109.90円。本日東京高値である109.65-70円、あるいは昨日高値109.78円の攻防にまずは注目。上抜ければ上値の展望が広がり、110円そして110.15円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、東京安値の109.35-40円が目先のサポートとして取り沙汰されている。まずはその攻防に要注意で、下回った場合には109円前後がターゲットに。

ドルの上値トライ、またもや「ダマシ」に終わるか

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る