ドル円、上値の重い展開が継続。今晩は米当局者発言と米債入札結果に注目
〇ドル円米長期金利の上昇、株価上昇によるリスク選好の円売りに欧州朝方にかけ109.06まで上昇
〇その後は米長期の伸び悩みに108.78まで値を戻す展開
〇ユーロドル独保健相の全成人へのコロナワクチン接種認可発言に1.2178まで上昇後1.2140レベルに反落
〇ドル円109円近辺にテクニカルなレジスタンス並び上値余地は乏しいか
〇ファンダメンタルズも米テーパリング観測後退でドル軟調地合い
〇本日の予想レンジ:108.30ー109.10
海外時間のレビュー
週明け10日(月)の外国為替市場でドル円は上昇後に反落。@米長期金利の上昇を背景としたドル高圧力(先週末金曜日は米雇用統計のネガティブサプライズを受けて米長期金利が急低下するも、週明けは反動で持ち直す展開)や、A5・10日要因(ドル不足)に伴うドル買い・円売り圧力、B日経平均株価や欧米株の上昇を背景としたリスク選好の円売り圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値109.06まで上昇しました。しかし、一目均衡表雲上限に続伸を阻まれると、C米長期金利が伸び悩んだことや、D米債入札結果を控えた警戒感(5/11から5/13にかけて米3年債入札、10年債入札、30年債入札が予定)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時25分現在)では、108.78近辺まで値を崩す展開となっております。尚、昨日はダラス連銀カプラン総裁より早期テーパリング(緩和縮小協議開始)の必要性を示唆する発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。
週明け10日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。@シュパーン独保健相による「米ジョンソン・エンド・ジョンソン製の新型コロナワクチンの全成人への接種を認める」との発言を受けて、一時1.2178まで上値を伸ばすも、節目1.2200をバックに伸び悩むと(戻り売り圧力が強まると)、Aドイツの連立与党「キリスト教民主同盟(CDU)」と「キリスト教社会同盟(CSU)」の支持率が過去最低水準に落ち込んだことや、BレーンECB専務理事より「ユーロ圏失業率が2019年頃の水準に戻るのは2023年以降になる」と慎重な見方が示されたこと、C米長期金利が先週末金曜日の反動で上昇に転じたこと、D対英ポンドでのユーロ売り圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時25分現在)では、1.2140近辺まで下落する動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は一時109円台を回復するも、戻り売りに押される形で反落に転じました。上方には一目均衡表基準線(109.11)、転換線(109.02)、雲上限(109.04)が控えている為、テクニカル的に見て、上値余地は乏しいと判断できます(事実、昨日もこれらのチャートポイントがレジスタンスとして機能)。ファンダメンタルズ的に見ても、低調な米雇用統計を受けて米早期テーパリング観測が後退するなど(6月ドットチャートでテーパリングが示唆される可能性が後退。但し8月ジャクソンホールでテーパリングが宣言される可能性は引き続き残存)、今週はやや米ドルが伸び悩むシナリオが想定されます。以上を踏まえ、当方では、ドル円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします。
尚、本日は、米当局者発言(23:30ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、01:00ブレイナードFRB理事、02:00サンフランシスコ連銀デイリー総裁)や米債入札結果(02:00米3年債入札)に注目が集まります。米雇用統計のネガティブサプライズを踏まえて、米当局者がハト派的な見解を示したり、米3年債入札が好調な結果となった場合には、米長期金利低下→ドル売りの流れが強まる可能性もあるため、本日はダウンサイドリスクに特に注意が必要でしょう(先週末金曜日の海外時間に記録した安値108.33を下抜ける可能性あり)。
本日の予想レンジ:108.30ー109.10
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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