ドル円 好数字見込まれている米雇用統計に注目(5/7夕)

7日の東京市場は、ドルが底堅い。前日には割り込めなかった109円を一時下回る局面なども観測されたが、終わって見れば寄り付きよりも高いレベルだった。

ドル円 好数字見込まれている米雇用統計に注目(5/7夕)

ドル円、好数字見込まれている米雇用統計に注目

〇本日のドル円、一時109円を割り込むもすぐに回復、109.15-20まで値を上げ寄り付きより高いレベルに
〇5日連続で「東京高」となったが、本日欧米時間に「欧米安」となるか注目
〇注目される米雇用統計、強気な数字が見込まれるが一部ではネガティブな指摘も
〇今週のドル/円、108.90-109.69レンジ内での乱高下、米雇用統計後に持ち合いから抜け出すか注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.60-109.60

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場は、ドルが底堅い。前日には割り込めなかった109円を一時下回る局面なども観測されたが、終わって見れば寄り付きよりも高いレベルだった。

ドル/円は109.05-10円で寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。109円を割り込み、108.90-95円へと小幅に値を下げた。しかし、下値も堅く反発に転じるとすぐに109円台を回復しただけでなく、そのまま109.15-20円まで値を上げる「行って来い」に。その後も、ドルは底堅く推移をたどると、終盤にかけてはわずかながら日中高値を更新。16時現在では、そのままドルの日中高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「コロナワクチン」について。
前者は、5日まで実施されていたG7外相会談の共同声明に、「台湾のWHO参加支持」の言及がなされたことなどについて、予想通り中国が猛反発。「重大な内政干渉」とした非難が聞かれている。そうしたなか、ブルームバーグが「バイデン米政権、トランプ前政権が導入した一部の中国企業への投資制限措置を継続する公算」と報じたほか、米国防長官からは、近く大気圏に再突入し地表に落下する恐れのある中国の大型ロケットの巨大な残骸に関しての批判コメントが観測されていた。
対して後者は、前日にバイデン米大統領が「新型コロナワクチン特許の一時放棄を支持する」と表明したことが物議を醸す。欧州委員会のフォンデアライエン委員長やフランス、イタリアは賛意を示すも、逆にドイツはメルケル首相が反対のスタンスを表明。また、当事者である製薬業界も反対が大勢で、米製薬業界団体からは「米医学界のリーダーシップの弱体化を狙う国々に技術を明け渡す」、「偽造ワクチンの拡散を促す」などとした声明を発表されている。

<< 欧米市場の見通し >>

一筋縄ではいかなかったが、それでも終わってみれば、昨日まで4日連続でドル/円は「東京高・欧米安」の展開。東京時間と欧米時間がまったく逆の方向に動くという状況が4日間も繰り返されている。翻り、本日の東京時間はというと、一時109円割れを示現するも切り返すと109.15円レベルと日中高値圏で取引を終えており、最終的には5日連続の「東京高」だ。さすがに「5匹目のドジョウ」は予想しにくいのだが果たしてどうか。

テクニカルに見た場合、週明け以降のドル/円は乱高下をたどっているものの、それは飽くまでレンジ内でのこと。月曜日に記録した108.90-109.69円という1円にも満たないレンジをいまだ脱却できていない状況だ。本日は米雇用統計が発表されることで、それを受けて足もとの保ち合いから抜け出せるのか否か、タイミングとともに、その方向性が注視されている。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
また、引き続き広義の米ファンダメンタルズ要因への関心が高いなか、本日に限ればやはり発表される4月の米雇用統計に要注意。ちなみに、市場の関心が非常に高い非農業部門雇用者数はプラス100万人程度とかなり強気な数字が見込まれている。ただ、ここ最近、発表される米経済指標は冴えないものが多かっただけに、悪い数字ではないものの、予想値にはとどかないといったややネガティブな指摘も一部からは聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.60-109.60円。昨日筆者は、「今週に入りドルの上値がジワリと切り下がっている」と指摘したが、依然として流れは維持されているようだ。それからすると、まずは昨日高値の109.42円をめぐる攻防を注視。超えれば、今月高値109.69円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、今週安値であり、本日の東京も近いレベルで下げ止まった108.90円の攻防にまず注目。しっかり割り込めば108.44円、さらには108円割れも視界内に捉えられかねない。

ドル円、好数字見込まれている米雇用統計に注目

ドル円日足


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