ドル円 昨日の「二の舞」を懸念、ドル高はダマシか?
〇ドル円109円台前半、昨日同様寄り付き高大引け安の展開、但し、昨日は円全面安、本日はドル全面高
〇昨日は海外時間米指標不冴えで反落、本日もさらなるドル高には慎重な向きも
〇テクニカルには直近ドル高値109.69の攻防注意、サポートは昨日安値108.90レベルか
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.90-109.90
<< 東京市場の動き >>
4日の東京市場はドルが小じっかり。昨日の「写真相場」と言ってもよい値動きで、値幅は40ポイント程度、ここまで「寄り付き安・大引け高」に近い動きをたどっている。
ドル/円は寄り付いた109円前後を日中安値に緩やかな右肩上がり。夕方には109.40円近くまで一時値を上げてきた。これは、昨日東京時間の動きに近いが、ひとつだけ昨日と異なるのは、昨日がクロスを含めた「円全面安」の展開だったのに対し、本日は「ドル全面高」ということ。似て非なる。
いずれにしても、ドルは対円以外、ユーロやポンド、NZドルなどでも積極的に買い進められていた。16時現在、ドル/円は109.35-40円の高値圏をキープ、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「G7とそれに絡めた二国間会談」と「新型コロナ」について。
前者は、3日間の日程でG7外相会談が開幕。そのなかで、早速「北朝鮮の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化の目標を堅持することで一致」したと出席した茂木外相が記者会見で明らかにしている。その一方、参加者による二国間会談が断続的に実施され、たとえば日米や日英、日加外相によるそれぞれの個別会談のほか、米英や米韓外相会談も実施されていたようだ。
対して後者は、インド保健省が「一日当たりの感染者が12日連続で30万人を上回った」としたうえで、「新規感染は累計で2000万人迫る」と発表したことが話題に。引き続き予断を許さない状況だ。それに対しEUは、コロナ感染が落ち着きつつあるとの見方から、「繁忙期」の夏を前に域外からの渡航規制緩和を提案。また、米国もNYなど3州知事が「コロナ人数制限の大半を19日に解除する」旨を発表していた。依然として、国によってかなりの差異がうかがえ、動静にはこの先も注意を払いたい。
<< 欧米市場の見通し >>
東京時間のドル/円相場はドル高・円安が進行しているものの、さらなるドル高進行には疑問符をつける向きも少なくない。理由は幾つかあるのだが、その最たるものは「昨日の二の舞」懸念。昨日はザックリ言って、「東京高・欧米安」の展開で東京時間にドルを買い上げた向きは結果として高値掴み、してやられた東京勢も多く、「やはり東京休場時は円高に振れやすい」と改めて悟ったなどといった指摘も聞かれている。
そんな、昨日欧米時間に流れが変化、「ドル安・円高」を支援した一因は、発表された米経済指標が期待外れの数値だったこと。昨日はISM製造業景況指数などが事前予想を大きく下回り、懸念が現実のものとなった。それもあり、マーケットでは引き続き米経済指標への関心が高く、本日も波乱要因として警戒を強める向きは少なくないようだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日超えられなかったドルの高値109.69円の攻防に注目。同レベルは高値110.97円を起点とした下げ幅の61.8%戻しにも近いテクニカルポイントだ。しっかり超えれば、いよいよ110円台回復もみえてくる。
対するドルのサポートは、やはり昨日下げ止まった安値であり、移動平均の21日線も近い108.90円前後か。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、3月の貿易収支や同耐久財受注といった米経済指標が発表される予定だ。前述したように、昨日発表された指標が期待外れに終わっただけに、本日指標への期待感も強く、その内容には要注意。また、5日まで実施される対面式の拡大版G7会合や、参加者による二国間の個別会談などにも一応注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.90-109.90円。昨日高値109.69円の攻防がまずは注視されている。抜ければ110円が次のターゲット。ただ、連休中の東京勢によるオファーがその上値を阻みそうとの指摘も。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の108.90円がサポートとして意識されている。移動平均の21日線が近いこともあり、しっかり割り込めば大きく続落する危険性もないではない。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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