ドル円、冴えない米ISM製造業指数を受けて反落。一時109.00の大台割れ
〇ドル円欧州時間朝方に3週間ぶり高値109.71まで上昇後、一時108.89まで下落
〇米4月製造豪PMI、4月ISM製造業指数の不冴えによる米長期金利低下が背景
〇ユーロドル1.2014まで下落後、上記に加えECBテーパリング観測、欧米株堅調で一時1.2076まで上昇
〇ドル円反落するもボリンジャーミッドバンド、転換線を死守、テクニカルには一時的な押しか
〇ファンダメンタルズもコロナ終息と米景気回復期待、日米金融格差等ドル買い材料増える
〇ドル円上昇がメインシナリオ
〇本日の予想レンジ:108.60ー109.40
海外時間のレビュー
週明け3日(月)のドル円相場は上昇後に急反落。株式市場の堅調推移(リスク選好のクロス円買い→ドル円連れ高)を背景に、欧州時間朝方にかけて、高値109.71(4/13以来、約3週間ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、心理的節目110.00をバックに伸び悩むと、@米4月製造業PMI(結果60.5、予想60.7)が市場予想を下回ったことや、A米4月ISM製造業景況指数(結果60.7、予想65.0)の冴えない結果、B上記@Aを背景とした米長期金利の低下(米10年債利回りは1.60%の大台を割り込み、一時1.58%まで急低下)、C対ユーロでのドル売り圧力が重石となり、米国時間にかけて、一時108.89まで下落しました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、109.09近辺で推移しております。尚、昨日はパウエルFRB議長による「雇用の最大化を広範且つ包括的な目標とみなしている(雇用拡大を最優先→インフレ高進の許容)」との発言や、リッチモンド連銀バーキン総裁による「大幅な進展が見られた場合、量的緩和縮小を開始するだろう」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。
週明け3日(月)のユーロドル相場は下落後に急反発。欧州時間朝方にかけて、4/23以来となる安値1.2014まで下げ幅を広げるも、心理的節目1.2000をバックに下げ渋ると、@デギンドスECB副総裁によるテーパリング開始を滲ませる発言(欧州の成人70%が夏までに新型コロナワクチン接種を受け、且つ経済が加速し始めれば、金融緩和政策の段階的解除の検討が可能)や、A上記@を背景とした欧州債利回りの上昇(ECBによるテーパリング観測再燃→欧州債利回り上昇→ユーロ買い)、B欧米株の上昇を背景としたリスク選好のドル売り圧力、C米4月ISM製造業景況指数の冴えない結果(米長期金利低下→ドル売り)、D欧州委員会による渡航規制の緩和提言(新型コロナ対策として制限していた不要不急の渡航規制を来月に緩和すると提言→欧州経済の回復期待→ユーロ買い)が支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.2076まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、1.2062近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時109.71まで上昇するも、米国勢参入後に108.89まで反落する冴えない結果となりました。但し、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表転換線を死守できていることから、テクニカル的には、短期上昇トレンドの中で見られる一時的な押し目と判断できます(心理的節目110.00をバックにひとまず利食い売りが出た格好→一巡後の再上昇を想定)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@FRBによる根強い早期テーパリング観測(ダラス連銀カプラン総裁による「量的緩和の調整について議論を始めることが適切」との発言に加えて、昨日はリッチモンド連銀バーキン総裁より「大幅な進展が見られた場合、量的緩和縮小を開始するだろう」との発言あり)や、A新型コロナウイルスの終息期待、B米経済の回復期待、C日米金融政策格差(テーパリング観測が高まるFRBと、金融緩和脱却の糸口が見えないBOJ)など、ドル買い・円売りを意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方ではドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(アジア時間は日本および中国が休場となるため、流動性の低下に要警戒。海外時間は米3月貿易収支や米3月製造業新規受注等の米国経済指標に注目。本日も米長期金利や米主要株価指数を睨みながらの神経質な展開を想定)。
本日の予想レンジ:108.60ー109.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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