月末最終日、材料より需給要因に注目か(4/30夕)

30日の東京市場はレンジ取引。108円台後半を中心とした狭いボックス内での一進一退で、明確な方向性は乏しかった。

月末最終日、材料より需給要因に注目か(4/30夕)

月末最終日、材料より需給要因に注目か

〇ドル円、一時109円台を回復したがその後108円台後半を中心としたレンジ取引、明確な方向性乏しい
〇本日は週末・月末であるためロンドンフィキィシングなどを警戒する声も
〇日本のゴールデンウイーク、中国労働節を前にしたポジション調整にも要注意
〇テクニカルには昨日高値109.22の攻防がまずは注視される反面、下方向は108.44が最初のサポートか
〇本日発表の経済指標、3月PCEデフレーター・4月シカゴ購買部協会景気指数
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.40-109.30

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場はレンジ取引。108円台後半を中心とした狭いボックス内での一進一退で、明確な方向性は乏しかった。

ドル/円は、108.90円前後で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。月末ゴトー日などといった要因も取り沙汰されていたようだ。一時109円台を回復し、109.05円レベルへと値を上げたが買いは続かなかった。実需筋の売りなどを受け108円台へと押し戻されると、その後はレンジ取引に。108.70-90円といった非常に狭いボックス圏内での推移をたどるなか、16時現在では108.75円前後で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「中国情勢」について。
前者は、引き続き世界各国で対応が分かれる結果に。例えばインドは、同国保健省が直近24時間の新型コロナウイルス新規感染者と死者がいずれも過去最多を更新し、累計の感染者については1800万人を突破したことを明らかにしている。ただ、その一方、厳しい措置が取られていたフランスにおいて、マクロン大統領が現地紙のインタビューで、外出禁止令の解除に向けた段階的な計画を表明。また米NY市も、市長が「目標は7月1日の経済活動全面再開」とコメントし、ともに好感されていたようだ。

対して後者は、バイデン米大統領が議会演説で「我々は中国と競争している」と発言したことに、中国サイドがまたもや噛みついた。同国外務省は、「米中間に競争があるのは正常だが、生きるか死ぬかの決闘であってはならない」などと牽制している。そうしたなか、中国の全人代常務委員会は、北京で会議を開き、海事当局の権限を強化する海上交通安全法改正案を可決。また、中国メディアは「遼寧」空母編隊が尖閣諸島付近に進入し、偵察活動を行ったと報じるなど、領土問題をめぐる対日圧力が刻一刻と強まっている感も否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日欧米時間に109.22円まで上昇するも、そののち小反落となった。ちなみに、同レベルは、目先高値110.97円を起点とした下げ幅の半値戻しに当たるフィボナッチターゲット。上方向の動きでは、同レベルの攻防が引き続き注目されよう。ただ、本日だけではなく来週にかけての話になるが、経験則に見て「東京休場時は円高に振れやすい」というマーケットのジンクスがあることから、来週にかけてドル/円のあまり積極的には買いたくないとの指摘も聞かれている。
「FOMC」や「バイデン大統領による議会演説」、「米GDP速報値発表」−−など今週の注目材料を次々とこなすなか、市場で警戒されているのは幾つかの需給要因。そのひとつは、本日が週末・月末にあたるということでロンドンフィキィシングなどを警戒する向きもあるようだ。また日本のゴールデンウイーク、中国労働節を前にしたポジション調整の話も取り沙汰されており、こちらも要注意か。思わぬ価格変動も否定できないか。

テクニカルに見た場合、ドル/円はややドルの戻り歩調が優勢ながら、その上値も重そうで基本はレンジか。108円台後半を中心とした、目先は1円程度のレンジ取引をたどるとの声も聞かれている。
ちなみに、ドル高方向については、フィボナッチターゲットでもある昨日高値の109.22円の攻防がまずは注視される反面、下方向はやはり昨日安値の108.44円が最初のサポートとして意識されているようだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、3月のPCEデフレーターや4月のシカゴ購買部協会景気指数といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された1-3月期のGDP統計速報などは決して悪い数字ではなかったが、事前予想値にはとどかなかっただけに、本日の指標の結果はどうなるのか注目だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.40-109.30円。本日東京高値109.05円レベルの攻防がまずは注視されている。抜ければ、フィボナッチターゲットにもあたる昨日高値109.22円が次のターゲット。
対するドル安・円高方向は、昨日安値108.44円が最初のサポート。割り込めば108円前後のフシが意識されそうだ。

月末最終日、材料より需給要因に注目か

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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