ドル円、約1週間ぶり高値圏へ急伸。本日は米FOMCがメインイベント
〇ドル円米消費者信頼感の良好な結果イベント前のポジション調整等で一時108.78まで上昇
〇ユーロドル1.20台後半で方向感に欠ける動き
〇ドル円一目均衡表の「雲」上限にサポートされ短期の地合い強い
〇明日未明から午前にかけFOMC、FRB議長会見、バイデンキャピタルゲイン増税詳細発表等イベント続く
〇本日の予想レンジ:108.00ー109.00
海外時間のレビュー
27日(火)の外国為替市場でドル円は続伸。@日銀金融政策決定会合を経て大規模金融緩和の長期化観測が強まったこと(日銀は金融政策の現状維持を決めると共に、展望レポートで2021年度のコアCPI見通しを0.5%から0.1%へ下方修正。今回新たに発表された2023年度分についても1.0%に定められ、2023年4月の黒田総裁任期満了時点に於いても2.0%の政策目標に届かない見通しとなった→金融緩和長期化観測→円売り)や、A米4月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果121.7、予想113.0)の力強い結果(1年2ヵ月ぶり高水準。コロナ前の水準回復)、B米長期金利の上昇圧力、C重要イベントを控えたポジション調整(4/27ー4/28の米FOMC、4/29のバイデン米大統領によるキャピタルゲイン課税の詳細発表)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、4/19以来、約1週間ぶり高値となる108.78まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、108.67近辺で推移しております。
27日(火)のユーロドル相場は方向感に欠ける値動き。前日アジア時間には一時1.2117(2/26以来、約2ヵ月ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、利食い売りに押されて反落に転じると、@米長期金利の上昇圧力や、AECB当局者によるハト派的な発言(パネッタECB専務理事は物価上昇率が2%に戻るまで積極的な金融緩和政策を縮小すべきでないと発言)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.2056まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、B新型コロナウイルスの感染状況の落ち着きや、C重要イベントを控えたポジション調整が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.2090前後まで持ち直す動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は10営業日連続・陰線から脱出すると、月曜・火曜と2日連続で陽線が出現しました。一目均衡表雲上限にサポートされたことや、一目均衡表転換線を上抜けしたこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、短期的な地合いの強さ(ショートカバーを誘発し易いチャート形状)が確認されます。但し、上方には、心理的節目109.00や一目均衡表基準線、ボリンジャーミッドバンド等が密集していることから、ここからの更なる上昇は容易では無いと考えられます。こうした中、本日は米FOMC(連邦公開市場委員会)とパウエルFRB議長定例記者会見が発表されます。
政策変更は見込まれていないものの、カナダ中銀によるテーパリング決定や、新型コロナウイルスの感染状況落ち着き(米疾病対策センターはワクチン接種完了者にマスク無しでの屋外会食を認める方針)を踏まえて、パルエルFRB議長がテーパリングに関するトーンを変更させる可能性があり注目が集まります(テーパリングを滲ませる発言が見られた場合、米長期金利上昇→ドル高で反応する公算大)。この他、明日・日本時間午前中には、バイデン米大統領によるキャピタルゲイン課税の詳細発表も予定されており、ドル円のボラティリティ急拡大に注意が必要でしょう(当方では一巡後のドル円反落をメインシナリオとして予想)。
本日の予想レンジ:108.00ー109.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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